憲法
佐藤幸治(憲法)近畿大学教授・京都大学名誉教授
著書は、『憲法』(青林書院)、『ファンダメンタル憲法』(有斐閣)、『国家と人間』(放送大学)など多数。人権論、司法権・憲法訴訟論を中心に研究を進められてこられたが、最近では、主権論、統治機構論にも大きな関心を持っておられる。行政改革会議の中心メンバーとして、内閣法と国家行政組織法の改正や情報公開法の制定に大きな影響を与えられた。現在は、司法制度改革審議会の会長として、法曹養成制度の充実、各種訴訟制度の改革、陪審・参審制導入等に取り組まれている。論文試験は、以上の著書・論点の中からだけでなく、最新判例を題材に出題される可能性も高い。
行政法
宇賀克也(行政法)東京大学教授
著書は、『行政手続法の解説』(学陽書房)、『国家補償法』(有斐閣)、『情報公開法の逐条解説』(有斐閣)など多数。関心分野は、情報公開・行政手続・国家補償である。行政手続法や情報公開法の制定にも深く関わってこられた。他に、『法学教室』(有斐閣)や『ジュリスト』(有斐閣)で、「地方分権」、「電子政府」、「適正手続」に関する論文を書かれている。論文試験は、情報公開・行政手続・国家補償・地方自治に関する論点から出題される可能性が高い。
小高剛(行政法)名城大学教授
著書は、『行政法総論』(ぎょうせい)、『行政法各論』(有斐閣)など多数。最近は、アジア太平洋諸国の公共用地の取得および損失補償制度について関心をもたれて、これらの国々の研究者と共同研究をされている。土地収用や損失補償に関する著書の他、住民参加や地方自治に関する論文・解説も多い。環境影響評価制度総合研究会(環境省)の「調査小委員会」の座長も務められている。論文試験は、
どこから出てもおかしくないが、特に損失補償・地方自治に注意をしたい。
民法
近江幸治(民法)早稲田大学教授
主要著書は、『担保制度の研究』(成文堂)の他、受験生にはお馴染みの『民法講義
I 民法総則』(成文堂)、『民法講義II物権法』(成文堂)、『担保物権法』(弘文堂)、『民法講義IV債権法総論』(成文堂)、『民法講義V契約法』(成文堂)である。論文試験は、どこから出てもおかしくないが、特に担保物権には注意を要する。『法学教室』に1999年4月から2001年3月まで「演習」を連載されているので、これを潰しておきたい。
永田眞三郎(民法)関西大学学長
著書は、永田眞三郎・松本恒雄・松岡久和『民法入門・総則(エッセンシャル民法1)』(有斐閣)、堀部政男・永田眞三郎
編著『情報ネットワーク時代の法学入門』(三省堂)など多数。現行の契約法や損害賠償法の仕組みを的確に整理して、その成果を個別の法解釈に柔軟に反映させ、さらに製造物責任(PL)等の消費者問題や電子商取引(EC)等の技術革新による社会の変容に適応させていくことを課題とされている。論文試験は、どこから出てもおかしくないが、特に契約や不法行為に注意しておきたい。
国際法
奥脇直也(国際法・択一・専門記述) 東京大学教授
立教大学教授を経て現職。本人の講義でも山本草二『国際法(新版)』(有斐閣)の使用を強く推奨し、村瀬信也と共にその注釈者的存在。主要著書に村瀬・奥脇・古川・田中共著『現代国際法の指標』(有斐閣)、奥脇・小寺編『国際法キーワード』(有斐閣)、村瀬・奥脇編『国家管轄権―国際法と国内法―山本草二先生古稀記念』(勁草書房)等。関心分野は、国家管轄権、海洋法、領域論、国際公域、国際法と国内法(等位理論)等。過去の択一試験は、国際法の全分野に及んでいるが、紛争の平和的解決、海洋法からは必ず出題がある。択一試験対策としては、『現代国際法の指標』の執筆部分はコピーして読んでおく、また海洋法条約やICJ規程は条約集で条文に当たっておくこと。論文試験対策は、山本草二と問題意識を共有しているため、過去の外T試験対策とほぼ同じになる。
安藤仁介(あんどうにすけ)(国際法専門記述) 同志社大学教授
神戸大学教授、京都大学教授を経て同志社大学教授。前・外務T種試験委員。国際自由権規約人権委員会委員。昨年は、みなみまぐろ事件仲裁裁判で日本側弁論人、日本国際法学会会長。共著に、波多野・小川編『国際法講義』(有斐閣)、田畑・石本編『ハンドブック国際法(第三版)』(東信堂)、田畑・竹本・松井編『判例国際法』(東信堂)、国際法学会編『国際関係法辞典』(三省堂)等に執筆項目をもつ。関心分野は、国家責任、外国人待遇義務、国際人権保障、政府承認・承継、領域紛争、条約の終了原因、安全保障、核兵器の使用等。特に国家責任と過失の問題、規約人権委員会、光華寮事件に関する論文が多い。論文試験対策としては上記論点をつぶしておくこと。
http://law.doshisha.ac.jp/kyouin/andou.htm
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