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私はこう考える

東日本大震災からの教訓―はじめに― (11/09/05)

帰宅難民を免れる
 3月11日は講義がなかった。
 午前と午後に都内に用事があったのだが、京都のゼミの疲れも残っていたので、事前にキャンセルしていた。
 したがって、その日は千葉県北西部にある自宅におり、帰宅難民にはならなかった。
 地震は人生最大の揺れだった。驚いて隠れてしまった猫を置いたまま、思わず家人と外に出た。なかなか揺れが収束しないので驚いた。
 震源地は自宅の近くかと思っていたが、そうではなかったので、大変驚いた。阪神淡路大震災と比較しても、死者は1万人を超えるのではないかと思ったが、地震より津波の被害が大きく、死者と行方不明者が2万人を超えるとは想像以上であった。テレビやネットで大津波の映像を見て、その被害に驚き、自然と涙していた。
 家族は全員無事で、自宅のほうも大丈夫と思っていたが、少し壁が剥がれ、土台にひびが入っていた(一部損壊)。

放射能のホットスポット
 原発の爆発がとても気になっていた。
 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/e334b9412d479b4a1ef6010889ba6159
 不安は的中し、何と自宅のある千葉県北西部は3月21日の雨でホットスポットとなってしまっていた。
 その当時は自宅付近の放射線量がかなり高くなっていたことを全く知らなかった。皆が指摘するところであるが、政府の情報開示の在り方は問題である。情報があれば絶対に窓を開けなかった。
 22日に京都に新幹線で向かう途中、横浜あたりを過ぎてから、妙に圧迫感がなくなっていくような不思議な感覚(妙な解放感)があったのを今も思い出す。

 原発は放射性物質を含む汚染水を無策にも(何とひび割れにおがくずや新聞紙を詰めていた!)海に流していた。
 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110403-OYT1T00457.htm
 原発の取水口付近の海に特にヨウ素を吸着する活性炭を大量に投入したらどうかと総理秘書官だった大学の同級生にメールした。
 彼からはすぐに原発チームに伝えたとの返事が来た(ありがとう!)。
 新聞を見ていたら、何と活性炭ではなくセシウムを吸着するゼオライトを投入していた。
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920017&sid=aGP7NJube5i4
 どうせなら両方投入したらどうかとも思った。
 周辺諸国に連絡しなかったのは、国Tの試験で国際法の導入が遅く(外T廃止後)、1次試験の配点の比重が小さかった(2次試験では国際法は選択できるが、選択する人は比較的少ない。外務省を目指している人でも必ずしも国際法を選択する必要もない)せいかもしれない。

 『アエラ』などの雑誌では、千葉県北西部の自宅の周辺がホットスポットであると毎週のように書かれていたので大変気になっていた。子ども3人が卒業した小学校の放射線量も出ていた(人工被曝の限度の0.11マイクロシーベルトの3倍はあった)。
 そこで、7月中旬にロシア製の放射能測定器を買って、毎日持ち歩いている。特に、0.4マイクロシーベルトを超えるベンチ(木だと放射性物質が染み込んでいる!)などなどに座っている人(特に若い人)に警告している。意外にもホットスポットであることを知らない人も多いのには驚いた。
 自宅前は0.3マイクロシーベルトを超え、庭は0.4マイクロシーベルト以上もあった。庭に溜まっていた落ち葉を除いたら、何とか0.4を切り、0.25ぐらいになった。日頃から全く手入れしていなかったのが、かえって幸いだった。自宅の木の根元や自宅の近くの側溝は1マイクロシーベルト以上もあった。汚染された土の処理をどうするか私も悩んでいる。
 市役所に行くと、花壇や水溜りの乾いた泥は1.5マイクロシーベルトを超えていた。学校のほうが気になっているのか、御膝元がかなり危険な状態だった。市は測っていないのか、それとも測ってもそのままにしているのか、実に不思議だった。妊婦さんも来る(地上の放射性物質が舞う可能性が高い風の強い日でも圧倒的にマスクすらしていない)。
 職員に情報を伝えても、「市販の測定器は高く出るよ」という人もいて危機感に乏しかった。私の測定器にはEUが認証したCEマークが付いている。放射線量が少し高く出るといっても、都内の地下鉄と地下鉄の駅の間(車中)は0.06ミリシーベルト前後で低い。9月に入ってから山手線(日暮里〜新宿)経由で中央線の甲府まで行ったが、車中で0.2を超える場所は常磐線(千葉県内)以外にはなかった。周辺の市では市の対応が鈍いので脱出する人もいると雑誌に書いてあったが、わかるような気もした。
 自治体の長や職員の方々は東電と国のせいで仕事が増えたと思って迷惑しているのかもしれないが、現実の問題として放射性物質は堆積し、放射能の危険に住民はおびえている。国がやらない分、市民と協力してでも、自分たちが放射能から住民(特に妊婦さんから30歳以下の人)を守ろうという気構えがもっとほしいと思った(損害賠償はその後の問題である)。

 自宅は今も1階は0.15マイクシーベルト(渋谷駅の外と同じレベル)前後ある。暑いので窓を開けることも多い。2階は0.25マイクロシーベルト(上野の国立西洋美術館の前と同じレベル)前後になることもある。さすが、都内の地下鉄と地下鉄の駅の間は0.06ミリシーベルト前後でほっとするが、自宅ではここまでは下がらない。
 新聞に出ている数字は、上空18メートルあたりの数値なので安心はできないらしい。人が現実に歩く地上はその3倍ぐらいではないか。
 ホットスポットでもこの有様である。原発に近い福島県東部の方々は実に気の毒だと思う。チェルノブイリでは各家ごとに、しかも各家の場所ごとに汚染地図を作成したらしいが、日本もそうするべきである。そして住める可能性のある場所は英知を結集して一日も早く除染しなければならないと考える。


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