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東日本大震災からの教訓―原発をどうするか?― (11/09/09)

 旧ソ連(チェルノブイリ)、アメリカ(スリーマイル島)、日本(福島)と世界を代表する国が原発で大失敗している。

 実家は「原発銀座」のある福井なので、原発は子どもの頃から何か事故があったら危険だと恐れていた。

 小学校か中学校の頃かよく覚えていないが、ムラサキツユクサは放射能に弱く、突然変異が原発周辺には多いという京大の先生の研究結果が地元の新聞に載っていたと記憶してる。

 高校の遠足は原発だった。若狭湾のどこの原発だったかは覚えていない。原発の中には入れてもらえなかった。橋の向こうに原発が見えた。帰りにコバルト60を照射したジャガイモ(芽が出ないらしい)をお土産に貰った。叔母さんにあげたら、八百屋をやっていた姑がすぐに売ってしまったので、私は食べていない。

 その後、どこからか米の検査員が原発の検査もしているという話も聞いた(本当かどうか知らないが、ネットで検索すると今もそのような話があるようだ)。

 大学に入ってから、原発を止めて点検中に作業員が被爆するという話も知った(最近気づいたが、なんと1979年に『アサヒグラフ』にあの漫画家の水木しげる氏が原発労働者の実態を描いていた!)。

 原発が必要だとしても、原発労働者の被爆がないという前提は譲れないと思っていたが、原発労働者の労働環境や待遇は今はよくなっているのだろうと安易に考え、原発を容認していた。というか、原発労働者に対する後ろめたさを否定するため、そう信じ込んでいたのかもしれない。

 昨年、思ったことがある。

 一つは、夏の冷房が強すぎたことである。「外は猛暑なのに、電車や建物の中がとても寒くて、上着が必要なのはおかしい、将来もこのままですむはずがない」と。

 もう一つは、「回転ずしで世界中(もちろん日本を含む)の魚介類を日本人が食べられる(食べ尽くす)のはいつまでか」ということである。

 しかし、今年、節電で上着は必要なくなった。

 また、東日本の魚介類が放射能で汚染されて食べられなくなった。

 今回の事故で、人間にはやはり原子力の制御は不可能だと思った。

 ウランとプルトニウムの発展途上国への拡散も心配である。

 仮に、中国で原発が一つ壊れても、黄砂と一緒に放射性物質が日本に来る。

 ミチオ・カク教授(ニューヨーク市立大学)によると高速増殖炉をアメリカ人は「ファウストの契約」と呼んでいるらしい。

 しかし、今すぐ原発の全廃は難しい。

 他方、原発を増やすという選択も不可能である。

 今となっては、危険な原発から順に廃炉にし、原発に代わる代替エネルギーの開発を急がなければならないというのが、ドイツ人だけでなく、多くの日本人の考えるところであろう。

 原子力に関して今まで日本が蓄積した知識と経験は、核兵器や原発の安全管理と廃棄に向けて活用すべきである。


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