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番外編

日本を外から見る −私が見た海外事情− (2025/01/04)
 佐野 景行

【第1回 海外に行くということ】

 今回から、「日本を外から見るー私が見た海外事情ー」というタイトルでお話していきたいと思います。
 ここ10年ほどは、あまり海外には出なくなりましたが、それまでは20年近く、年の半分は海外に出ていましたので、何らかのご参考になればと思います。

 私は、今まで出張・学会・旅行を含め、22カ国に行きました。
 以下が訪問先の国々です。オーストラリア、韓国、中国、香港(現在のような状況ではありません)、台湾、マレーシア、タイ、シンガポール、インド、ロシア、スウェーデン、デンマーク、オランダ、ベルギー、フランス、ドイツ、スイス、オーストリア、イタリア、イギリス、カナダ、アメリカ。

 今回は、ちょっと長めのイントロになります。
 海外に行く時のいろいろな情報をお話しします。各所に「エピソード」や「ポイント」も記載しました。

  目次
(1)海外に行くということ
(2)スケジュール(行程表)を決める
 @日時
  *エピソード
 A行動内容
 B滞在ホテル
  *エピソード
  *旅のポイント
(3)チケット予約
(4)海外へ行くための準備(持ち物編)
 @会社関連
  *エピソード
 A服装
  *エピソード
  *服装と重量
 B下着(上下)
 C朝セット
 D夜
 Eケアセット
 F観光
 Gショッピング
 Hゴルフ
  *エピソード
 I機内用
 J日本食
 K貴重品
  *エピソード
 Lその他
 Mパッケージ後に

(1)海外に行くということ
 はじめて海外へ行くときにはわくわくするものです。
 私がはじめて海外に行ったのはアメリカで、大学4年の夏休みでした。
 同期のお兄さんが大韓航空に勤務しているということで、大韓航空で行きました。
ハワイ経由でした。
 当時は、アメリカの雄大さ、モノの豊かさを感じたような状況でした。
 往復この航空会社にお世話になりましたが、1978年、数か月違いで、帰国便の同じ便が当時のソ連に撃墜された事件がありました。恐ろしいニュースでした。
 さて、社会人になって、出張で海外に行くことが増えてくると、ふと考えることがありました。
 いつも出国して帰国するわけですが、大前提があります。
 それは、「無事に」帰国しているということです。
 海外でのトラブルは、おいおいお話ししていきますが、実は、出国時には「100%帰国できる」という保証が全くないのです。
 そこで、ある時点から、出発前に、空港から家族(家内)宛て「はがき」を出すことにしました。
そこに書くことは、出発に際していろいろと準備を助けてくれた「感謝」の言葉です。思い切って、今までの感謝の言葉を書いても良いかもしれませんね。自筆で書くことに意義を感じていました。
 葉書は、空港で販売していますが、早朝のフライトや深夜のフライトでは、郵便局が閉まっていることもあるので、事前に購入しておくことが良いでしょう。
 もっとも、スマホが普及している現代では、スマホでのやりとりで済んでしまうかもしれませんね。

(2)スケジュール(行程表)を決める
 ツアー等では、旅行会社が作成してくれますので、個人のスケジュールをそれに追記する程度で完了となります。この項目では、個人で作成する場合を紹介します。
 海外出張に関しては、仕事の出張がほとんどだったため、個人で全てのことを行いましたが、訪問国がロシアの場合は別でした。事前準備する書類(入国等に必要なもの)は全てロシア語表記で、英文の表記は併記されていませんでした。現在は、もう少し改善されているかもしれません。このときばかりは、旅行代理店にお願いしました。
 さて、行程表は、出発から帰国までの一日単位のスケジュールを表にして作成します。
 この中には、記載する項目は以下のとおりです。

@日時
 時差が生じる場合がありますので注意してください。
 時差については、特にアメリカは注意してください。同じ州内でも時差のある場所がありました。

*エピソード
 インディアナポリス州のフォートウェインという都市でのことでした。
 (ご参考。indianapolisという単語は、アクセントの位置に注意。インディア「ナ」ポリス、と「ナ」にアクセントがありますので、アメリカ人との会話では注意願います)
 夜遅くレンタカーでホテルに到着し、出張のメンバーで明日の出発時間を確認後、時差の話を受付カウンターの人としていました。そうしたら、「ここは、先週時差が1時間早くなったのよ」と言われ、皆で愕然としました。
早く寝ないと明日朝早く移動するのに支障が出てしまうのです。
 ホッとくつろぐこともせず、急いで部屋に戻り、就寝しました。

 アメリカ国内では、トランジットの空港でも必ず現在の時間を確認し、乗り継ぎ便に乗り遅れないようにしなければなりません。注意が必要です。
 空港での話も後でしたいと思います。

A行動内容
 飛行機の便名、出発時間、到着時間。鉄道を使う場合も同様です。
 客先等の訪問時間等。
 ヨーロッパは、鉄道で移動することが多くなります。その場合には、各国の鉄道のホームページで列車便の確認をしておくと良いでしょう。
 ドイツだと、「https://www.bahn.de」が役に立ちます。このあたりは、また後ほど説明できればと思います。
 列車便が決まったら、該当ページを印刷しておくことが必要です。
 チケットを購入する際にとても便利だと感じますよ。これも後ほどお話しします。

B滞在ホテル
 ホテルの検索は「Booking.com」をよく利用しました。ただ、この1社だけではなく、何社かをチェックして、適切なホテルを探しましょう。
 ホテルの選択は、料金とロケーションがポイントとなります。特に、ロケーションは行動範囲との兼ね合いから大切なポイントになります。
 料金については、展示会等のイベントがある時期は要注意です。通常時期に比べホテルの料金は高くなります。都市部だと2倍以上になるところもあります。

*エピソード
 韓国ソウルのホテル予約の話です。
 展示会か何かのイベントがあったのでしょうか。どのホテルも通常に比べて高く、すぐ予約に踏み切れないでいました。少し離れたところにホテルがあったため、予約を入れました。
 当時の予約サイトの写真では、まあこんなものかな、という感じでした。
 空港に財閥系韓国の会社の友人(韓国人)が迎えに来てくれ、ホテルまで送ってくれました。
 到着したホテルがなんとラブホテル。入口に垂れ幕のようなものが下がっている感じのホテルでした。友人もちょっと笑いながら驚いたようでした。
 一人でチェックインする不自然さと連泊する不自然さは、なんとも言えない貴重な(?!)体験でした。

*エピソード(その2)
 イギリス・ロンドンでのホテルの話です。
 ロンドン市内のホテルはとても高かったです。素泊まりで4万円以上のものが大半でした。
 そこで、市内から少し外れた場所のホテルを予約しました。予約サイト上はこぎれいな感じのホテルでした。
 イギリスは、鉄道の移動で、数社へ訪問しますので、鉄道の移動時間を考慮してロケーションを決めることとなります。
 ヒースロー空港から鉄道で市内へ移動し、メインステーション(パディントン駅)でタクシーに乗り、ホテルへ向かいました。ホテルに到着すると、降り際にタクシーの運転手が名刺を渡してくれて「何かあったら連絡するように」と言ってくれました。はじめは何のことやらわかりませんが、翌日の鉄道での移動のために、最寄り駅までの徒歩時間等をチェックしようと外出したら、街の雰囲気がやや違うように感じました。通りを行きかう人にイギリス人のような感じの人たちはおらず、中東、南アジア、東南アジア系の人たちや、アフリカ系と思われる人たちだけでした。街に流れている音楽もインド系の音楽でした。
 翌日、客先へ行った際、滞在場所を聞かれ「East Ham」と答えると、びっくりされました。
 現在は違っているようですが、当時は「なんでそこを選んだのだ。そこはロンドンで二番目に貧しく治安の悪いところだ。」と言われました。ホテルから駅までは徒歩300メートル程度の距離でしたが、「必ずタクシーを使うように」と念を押されました。実際には駅にタクシーは停車していませんでしたので、常に周りに気を付けながら早歩きで往復したことを覚えています。

*旅のポイント
 滞在ホテルが決まったら、別紙にて「ホテル名、住所、電話番号」を記載(少し大きな文字で)した用紙をつくると良いでしょう。特にタクシーで移動するときに役に立ちます。
 空港に着いたとき、タクシーでホテルに移動することがあると思います。その際、この用紙をタクシードライバーに渡すと、スムーズに移動できます。

(3)チケット予約
 ツアーの場合には、旅行代理店が行ってくれますので、個人でスケジュールをたてて出張・旅行する場合についてお話しします。
 予算の関係もありますが、仕事の出張時には、いわゆる大手航空会社を選択した方が良いです。しかも、目的地への直行便が良いです。

 まず、利用する航空会社を考えます。
 この時に、大きく二つのグループから選択することとなります。航空会社にはグループがあります。
 日系航空会社でお話しすると、全日本航空(ANA)系か日本航空(JAL)系かに分かれます。これは、それぞれ「スターアライアンス系」か「ワンワールド系」に該当します。
 面白いもので、羽田空港に電車(京急)でいくと、前方の車両はスターアライアンス系、後方の車両はワンワールド系の入口に近くなっています。成田空港の場合には、駅がそれぞれ用になっています。
 海外に行く頻度が高くなるに従い、各航空会社利用に伴う「マイレージ」が貯まっていきます。
 このマイレージは、貯められる期間の条件があったりしますが、貯めれば貯めるほど、いろいろな特典がありますので、この二つのグループのどちらかに決めるとよいでしょう。
 私は、スターアライアンス系で、ヨーロッパへ行く際はルフトハンザドイツ航空か全日本航空(ANA)、東南アジアのタイへはタイ航空かANA、韓国へはアシアナ航空かANAを利用しました。アメリカへはユナイテッド航空かANAでした。

 次に、どの席を予約するか、ということになります。
 ファーストクラス、ビジネスクラスは問題ありませんが、窓側の席が気兼ねなく良いでしょう。
 では、エコノミーの場合は、窓際か通路側か非常口近くか?
 前の空間が広々としているのが「非常口」の列になります。ただ、窓側の席以外は、前の席背面にある荷物を入れる場所がないため、小物を持っている場合には、ちょっと困ります。
 ただ、この席は、なぜか早期に予約されていることが多いようです。前方の障害がなく、広々としていることもあるのでしょう。
 この列の窓際は、フライト中外気の影響を受けることがあり、かなり寒くなったことを覚えています。
 また、この列は、非常時にはスタッフのお手伝いをすることとなります。搭乗時に個別に説明があります。何かあった場合の脱出は、最後のほうになるのでしょう。
 窓際はどうでしょうか?
 この場合に問題となることがあるとすれば、それは一つです。トイレです。
 トイレに行きたい場合には、隣の人に声をかけて(休んでいるときには起こして)前を移動するか、立ち上がって通路に出ていただくか、しなくてはなりません。3席続いている場合には、2人の協力をお願いすることとなります。したがって、隣の方たちが席を立つタイミングで席を立つことが多くなります。
 通路側は、逆の立場になりますが、他の方からは依頼されることがあっても、自分から他の方へ依頼することはなく、いつでも自由に席を離れることができるため、ストレスは少なくて済みます。
席のポジションが決まった場合、機内の前・中・後方のどのあたりに座るかも考えると良いかもしれません。
 できれば前方の通路側で、席の前に壁があるような場所からは少し離れたところが良いでしょう。
 席の前に壁のある場所は、赤ちゃんがいる場合に利用する方がいます。仕方のないことなのですが、
 フライト中にむずかって泣いてしまうことが時々あります。
 このときに利用するのが「耳栓」なのですが、なるべく静かな空間を確保したい場合には、あえてその付近の席をとることはしないほうが良いと思われます。ノイズキャンセリングのイヤホンもお勧めです。
 席の予約はチェックインカウンターでも行うことができますが、「No kids around」と言って予約する方もいるようです。

 頻繁に海外へ行く機会があるようでしたら、予算枠にもよりますが、アップグレードできるクラスのチケットを求めると良いと思います。マイルがたまり、アップグレードできるようになったときに便利です。
 また、チェックインの時に、荷物が重量オーバーになったときにも、アップグレードすれば、荷物を開けて中のものを取り出して詰め替えをする必要もなくなります。

(4)海外へ行くための準備(持ち物編)
 海外に行くには、いろいろと持って行かなくてはならないものがあります。
 以下に、海外出張をベースに事前準備品を記載します。項目ごとにまとめてみました。
 私は、これらをチェックリストとして使用していました。
 チェックリストは、以下項目となります。皆さんの事情に合わせて工夫してみてください。
 視点は、男性視点となっていますので、女性の方は、女性視点を加えていただけるようお願いします。

@会社関連
 ここは、打合せ、展示会等のビジネス関係で使用するものです。
・会社資料(会社案内、製品パンフ、プレゼン資料)
・打合せ資料(レジュメ、図面、注文状況、納期情報)
・客先情報(売上推移、販売情報、客先製品情報)
・展示会チケット
・ルーペ
 これは、精密部品関連で使用するもので15倍程度のものになります。やや特殊ですね。

*エピソード
 日系自動車会社の社員が、アメリカ現地での修理等のため工具を持参して出張したところ、入国審査で、現地で就労するためと勘違いされて、入国できず日本に戻らざるをえなかった、という話があります。
 入国審査での英語のやり取りがうまくできなかったこともあるのでしょうが、事情を説明できるようにしておくなど、事前にいろいろと準備しておくことは必要です。

・名刺(英文、和文)
・筆記具(ペン、シャープペン、ノート)
 ボールペンは持っていた方が良いです。後で、機内手荷物のところでお話しします。
・システム手帳
 私は、スマホ等での電子スケジュールの管理をしませんので、アナログ派になります。
 一式持って行くと重くなりますので、該当箇所の2ヶ月分くらいを抜き取って、小さなクリアファイルにいれて持って行けば良いでしょう。スマホの方は、バッテリー不足には絶対注意してください。
・行程表
・ホテル予約シート
 Booking.comなどで予約した場合には、予約シートを和文・英文で持参するとよいでしょう。ホテルのフロントでは、名前を言えば大丈夫なところがほとんどですが、万が一に備えておきましょう。
・レンタカー予約シート
 いろいろなレンタカー会社があります。レンタカーは、主にアメリカで使用します。会社は、ハーツが良いでしょう。
 レンタカーに関することも後で記載しますね。
 予約後には必ず予約した内容が記載されている紙を持って行きましょう。(この紙を「シート」と記載しました)
・チケット予約シート
 航空チケットの予約済みのシートも必要ですね。
最近は、スマホで処理する方も増えています。
・電子辞書
 これは、打合せ等で必要になることがあります。
 何カ国かの言語が入っているものが良いでしょう。特に、タクシーを利用する場合には多言語が必要です。
 「どこどこまでお願いします」「いくらですか?」「領収書をください」は必要なセンテンスです。これもスマホの辞書等で済ませることになるのでしょうか。
・手土産
 できれば日本らしいものを持って行くと良いでしょう。
 お酒なら、空港の免税店で購入しても良いかもしれません。お勧めは「久保田 万寿」。
 正規ルートでなければ、デパートでも割高になっています。
 お菓子は「ウェスト」のリーフパイ詰め合わせをよく持って行きました。
 ある時期、イタリアで「梅干し」がブームになっていて、無添加、無着色のものを持って行きました。とても喜ばれました。
 カジュアルなものとしては、いくつかの種類の「柿の種」や岩塚製菓の各種「せんべい」を持っていきました。場合によっては、自分用にもなります。
お土産は、出発前に免税店等で購入することもあると思います。相手方の顔がわかるようでしたら、飲食のものであれば、できれば、事前に自分で飲食等してお土産を選ぶことをお勧めします。
・パソコン、電源、変換プラグ
 これは必需品です。
 変換プラグは、小さいものがあるならいくつか持っていくとよいでしょう。
 パソコン、携帯、カメラ等の充電を一緒に行うときに便利です。
・携帯電話、電源、変換プラグ
 変換プラグは上記記載していますので、ここでは大丈夫でしょう。

A服装
・会社用(スーツ、ブレザー、スラックス、シャツ、ネクタイ、ベルト、ソックス)
 通常のビジネスの服装となります。
 ここで、よく問題なりそうなことは、シャツを何枚持って行くか、ということです。
 私は、出張し始めの頃には、(後に記載するように)洗濯セットを持って行きました。ただ、洗濯をする時間帯は、一日の予定がほぼ終わった頃。疲れていますので、それから洗濯をするのは大変です。
 そこで、必要な枚数分のシャツを持って行くこととしました。
 出張先でストレスがたまらないように、一日分をビニール袋に入れて、必要日数分を持って行きます。一つの袋に入っているのは、「シャツ、下着(上下)、靴下、ハンカチ」です。
 スーツかブレザーかは選択するとよいでしょう。
 それに合わせて、スーツならスラックスは1着か2着、ブレザーも同様です。

*エピソード
 「洗濯」は大変です。
 洗剤やハンガーを持っていけば大丈夫、と考えがちですが、そうではないのです。
 もちろん、洗剤の選択や洗濯する時間、乾かすまでの時間の計算も必要ですが、「どこで洗うか」、「どこですすぎをするか」、「どこに干すか」は、現地についてはじめてわかる、ということが多いのです。
 洗うのは、洗面台かバスタブになりますが、シャワーしかないところもありますので、「洗面台」ということになります。しかし、洗面台が十分な大きさでないこともあります。シャワーしかない場合には「すすぎ」の問題が出てきます。仮に「すすぎ」まで終わったとしても、次に待っているのは、「どこに干すか」。ホテル備え付けのハンガーはいくつかの種類があり、ハンガーのひっかけ部分が「U字」ではなく「釘の頭」のような形状のものを多く見かけます。
これではクローゼット以外では干すことができません。
 ハンガーを持参した場合には、「どこに干すか」が問題となります。ハンガーをかける場所を探すのは結構大変です。「段差部分」や「フックとなる部分」がなかなかないのです。
 アメリカの場合は、バスタブにあるカーテンレールを使用したり。備え付けの紐を使うことはできます。
 このようなことから、出張中は、上記記載のように「一式パック」を日数分持っていくことにしました。
 時間や金銭的に余裕のある場合には、滞在ホテルで頼むこともできます。 

・カジュアル用
 (ジャケット、ポロシャツ、カジュアルシャツ、セーター、チノパン、スラックス、ベルト、ソックス、シューズ、ハンカチ、携帯バッグ 等)

*服装と重量
 冬場は服がかさばります。そして重量も増えます。
 金銭的な余裕があるようでしたら、カシミア系のものを持っていくと良いと思います。軽くて暖かいため、とても便利です。


・携帯鞄
 客先訪問時に書類等を入れるカバンが必要なときは、薄手のモノを用意していました。
 荷物の延長でキャリーバッグを使用したこともありましたが、電車での移動等はカバンにしていました。
 アメリカではレンタカーでの移動がほとんどだったためキャリーバッグの使用が多かったのですが、ヨーロッパでは滞在ホテルから電車で移動することが多いため、カバンに仕事用具一式を入れて客先に向かいました。
・眼鏡、眼鏡拭き
 万が一に備えて、予備に一つ携帯していました。
 コンタクトを使用したときもありましたが、その場合には「使い捨てコンタクト」」を使用しました。
・サングラス
 特に夏場は必須アイテムです。運転するとき、しないときも含めてです。
・ハンカチ、ティッシュ、流せるティッシュ
 これは、必要個数を持って行きます。
・カサ
 折りたたみカサです。
・腕時計、目覚まし時計
私は、スマホ等の携帯電話で時間を確認することはしていませんでしたので、腕時計をしていました。万が一でも、時間が止まるようではダメなので、電池式ではなく、メカニカルな「自動巻」を使用していました。
目覚まし時計は、はじめは持って行きましたが、後半は、携帯電話等の機能を使ったりしましたので、持って行くことはなくなりました。
 ホテルでは「モーニングコール(英語ではWake-up call)」をお願いしても良いと思います。
 スマホで注意することは、現地に着いたときに、現地の時間になっているかということです。特に、アメリカでは注意です。現在は、自動的に調整されるような機能がついているようですが、上記のインディアナポリス州のようなケースもあるので注意が必要です。当時、同僚のスマホはこの機能があるようでしたが、突然の変更には対応できていませんでした。
・靴、靴べら
 靴は履いていくものが一つあれば良い、という方もいると思います。
 ビジネスとカジュアルを分けたい場合には、履いていく靴(通常はカジュアル用)の他にもう一つの靴を持って行くと良いかもしれません。
 靴べらは、ホテルに備えているところもあればそうでないところもあります。また、機内でスリッパを使用する場合には、靴に履き替えるときに、ややむくんでいる足には必要となることがあります。
・コート、マフラー、手袋、ホカロン
 冬は、コート(ダウンを含む)を着ていくことが多いと思います。
 寒いところは、とにかく寒いです。アメリカのシカゴで冬場に外を歩くことがありましたが、肺が凍ってしまうのではないか、と思ったほどでした。韓国の冬もとても寒かったことを覚えています。
 マフラーや手袋はあったほうが良いでしょう。
 気温によっては、「ホカロン」は必須アイテムとなります。

*エピソード
 韓国ソウルの冬でのことです。
 皆でカラオケに行こうということで、車で出かけました。カラオケハウスの駐車場に着き、20メートルほどで入口でしたが、風もあり、寒すぎました。マイナス20度くらいあったのではないかと思います。車内と外気温の差が激しいと、本当に体調を壊します。気を付けましょう。 

B下着(上・下)

C朝セット
・歯ブラシセット
 韓国では、ホテル備え付きでも「有料」のところが多いか、「なし」のところがありました。持参するとよいでしょう。
・シェーバー
 充電式の場合は、事前に充電を完了してると思いますが、念のために電源ケーブルは持参するとよいでしょう。
・くし
・洗顔フォーム

D夜
・麻タオル
・シャンプー、コンディショナー、石けん
 備え付きがのものが非常にプアな場合もあります。携帯用の小さいものを持って行ってもよいかもしれません。
・作務衣
・部屋着(短パン、Tシャツ等)
・洗剤(粉、日陰干し用)、ハンガー、物干しセット

Eケアセット
・爪切りセット
・バンドエイドセット
・綿棒セット
・常備薬(胃薬、解熱剤、頭痛薬等)
・ポケットティッシュ
・ウェットティッシュ
・除菌クリーナー
・ビニール袋
・マスク
・アイマスク
  
F観光
・ガイドブック
・デジカメ、三脚、バッテリー、メモリカード
 海外の美術館や博物館では、ほとんどが「フラッシュなしで撮影可」です。
 思い出の撮影ができます。
 ただ、美術館では、撮影ばかりに夢中にならずにご自身の眼で「鑑賞」することも大切にしてください。
 カメラは観光時だけではなく、客先訪問でも活躍します。打ち合わせ終了後には、全員で写真を撮ることを心がけると良いでしょう。その後のコミュニケーションで大いに役に立ちます。
・双眼鏡(小型の携帯用です)
・地図

Gショッピング
・エコバッグ(紙袋、布袋)
・エアキャップ、クッションバッグ
 ジャムなどの瓶製品を購入するときに使用します。免税店では購入しないワインを包装するときも使用します。衣類で包む方もいらっしゃるようです。

Hゴルフ(手袋、ボール、ティー、ウェア、靴下、靴、帽子、クラブ)
 機会はあまりないかもしれません。
 アメリカは、ゴルフは非常にカジュアルで、子供も両親を一緒にコースを回っているようです。
 クラブは現地でレンタルすると良いでしょう。他のものも、お土産として購入することも一つかもしれません。靴は、持参が望ましいと思います。夏場はサングラスが必須アイテムです。
 アメリカでは、ゴルフ専門店やスポーツ専門店がありますので、事前に訪問していろいろと揃えるのも楽しいかもしれません。
 アメリカでは、日本と異なり、原則として昼食の休憩のようなものはありません。コースを移動販売車が回っていますので、ハンバーガーやドリンクを購入し、飲食しながらプレイします。プレー終了後はそのまま車に乗って帰宅となります。シャワーを設置しているところもありますが、名門コースのようなところは別なのでしょうか、通常は、皆、そのまま帰宅しているようです。
 一度、名門コースでお世話になったことがあります。ロッカーを使用するのですが、それは、他のメンバーのロッカーでした。ローカールーム内では、朝からアルコールドリンクを提供していました。
 テキーラやウィスキーもあったようです。

*エピソード
 サンフランシスコでゴルフをした時のことです。
 私たちは二人で申し込んでおり、クラブハウスから何の連絡もなかったため、二人で気軽にプレーできると思っていました。ところが、スタート直前に、一組追加されました。
 その一組は親子で、子供は8才の女の子でした。
 プレーを開始すると、なんとこの女の子が父親よりも時として上手なのです。パーを数回とる腕前でした。驚きでした。
 ゴルフは大人から子供まで楽しむことができるスポーツになっているのだな、ということを実感しました。 

I機内用
・スリッパ
 これは、機内・ホテル用に持っていくと良いでしょう。とても便利で、楽です。
・イヤホン
 ノイズキャンセリング機能のついたものがお勧めです。
 機内には、ヘッドホンが備えてありますが、ファーストクラス、ビジネスクラス以外のヘッドホンは周りの音がそのまま入ってきますので、モニター画面がついている場合には、音楽や映画等の楽しみが半減してしまします。また、周りの喧騒をシャットダウンしたいときも役に立ちます。
・耳栓
 イヤホンを持っていく場合には、これは不要になることがあります。
・腰当クッション、エア・ピロウ
 機内では各席に「ブランケット」「クッション」が置いてあります。
 これらをもうひとセットお願いすることができますので、追加の調達をしても良いでしょう。その場合は、この二つは持参しなくても良いこととなります。
・アイマスク
 アイマスクそのものでも良いですし、追加で「蒸気でアイマスク」のようなものを持って行っても良いでしょう。
・本、電子書籍
 私は「紙派」ですので、文庫本を持参します。語学の本は何冊か持っていきます。

J日本食
・インスタント味噌汁、湯沸かしポット
 なんとなく食欲がないときには、インスタントみそ汁は活躍します。
 その場合に必要になるのが「お湯」です。
 部屋に湯沸かしポットの設置しているホテルは少ない感じがします。ホテルのスタッフにお願いできるようなホテルもあればそうでないところもあります。
 その場合には、この「湯沸かしポット」が活躍することとなります。
 シリコン製の容器で、コンパクトになるものがありますので、余裕があればお勧めです。
 その場合、コップ等の容器が必要となります。箸やスプーンなどのものもあると助かります。
 日本国内のホテルのような状況をすべての海外のホテルで期待してはいけません。
・梅干し
 何かの時に助かります。2〜3個を小さな容器に入れて持っていくと良いでしょう。
・スプーン、箸
 飲食時に便利なものです。

K貴重品
・パスポート
 有効期限の確認は忘れずに。

*エピソード
 ドイツ・ミュンヘンへ出張した時の話です。
 ANAにて事前予約をオンラインで済ませ、座席の指定まで行いました。
 搭乗時用に、関連の書類はプリントアウトして持参していました。
 搭乗手続きのためチェックインカウンターにいくと、手続き中にスタッフの方から「パスポートの有効期限が1カ月あまりですね」と言われ「出国はできますが帰国時に手続きできるかは保証できません」とのコメントを受けました、出張期間は5日のため、オンライン上での手続きも済ませており、問題ないだろうと考えていただけに、ショックでした。
 いろいろと話をして、結局、出張は全てキャンセルすることとなりました。
 パスポートの有効期間は、十分な残り期間があることを確認することが必要ですので注意してください。 

・免許証(国内、国際)
 国際免許証の有効期限は1年です。
 レンタカーを借りる場合には、国内免許証の提示を求められます。
 国際免許証は、最寄りの試験場等で取得することができます。手続きにそんなに時間がかかることはないと思います。
・海外旅行傷害保険証書
 海外に行く場合には、保険をかけます。仕事であれば会社でかけますが、保険の内容を確認することは必要です。保険は「万が一」の時に助けてくれるものなのです。会社によっては十分な保険がかけられていないこともあります。その場合には、個人で追加で保険をかけます。出発時の空港でもよいでしょう。営業時間に注意してください。
 旅行の場合は、旅行代理店で手続きをする場合は、内容の確認を、個人の場合は、上記同様、空港で。

*エピソード
 私の知人の話です。
 クレジットカードを持っている場合には、何らかの海外旅行関連の保険がついている場合が多くなっています。カードのステータスによっても異なっているかもしれません。
 それなりのステータスのカードを持っていて、保険については特段気に留めていなかったようです。ヨーロッパに個人旅行で行った際に現地で大けがをしたようです。緊急入院で手術もしたようで、ショートの入院の後、退院時に400万円以上の請求を受けたとのことでした。
その後、ヨーロッパにいる娘さんにいろいろと手伝ってもらい、何とか200万円程度の支払いまで交渉したようです。
 保険は、侮ってはいけません。「万が一」が起こってしまった時によりどころとなるものが、この保険なのです。
 私のエピソードも次でお話しします。

*エピソード(その2)
 タイ・バンコクからヨーロッパへ移動した時のことです。バンコクには支店がありました。
 2月ごろのタイはまだまだ日本に比べ暑い時期でした。バンコクでの打ち合わせが終わり、ヨーロッパへの打ち合わせに向かいました。バンコクとヨーロッパの気温差は30度程度。
 北欧での打ち合わせ終了後に体調を崩しました。咳が止まらなくなってきたのです。
 食欲もまったくなくなり、翌日からのドイツ、イタリアでは、夜咳がひどくなり血痰が見られるようになりました。スケジュールはタイトだったため、病院には行かず、薬局で薬を買おうと思いましたが、飲んで体がだるくなることは避けたかったため、ヴィックスのトローチを購入しました。何とかヨーロッパの出張を終え、バンコクに戻り、空港で迎えに来てくれた現地スタッフにすぐ病院に連れて行ってもらいました。
 病院は、日本人専用の病院で、まるでホテルのような感じでした。一通りの検査を済ませ、注射も打ってもらい、薬もいただきました。肺炎の一歩手前だったようです。
 入院もせず、そのまま事務所へ移動しました。翌日は、朝4時起床でシンガポールへの日帰り出張でしたが、問題なく終えることができました。
 病院では、保険証書を提示して、それで終了となりました。十分な保険内容だったこともあるのでしょうか。
 はじめて利用しましたが、本当に助かったこと記憶しています。

・カギ(自宅、スーツケース、ポシェット等)
・チケット(鉄道、飛行機)
 鉄道は、通常スイカ等を使用することが多いと思います。
 出発が成田空港の場合には、成田エクスプレスを利用することとなります。
 その場合には、チケットを持参していました。
 乗車する車両は、普通の指定席となりますが、周りの方々は旅行前の盛り上がりで、特に2〜3人のグループの方々や家族の方たちはお話が尽きることがないようです。
 前日からの準備等で疲れている場合には、ちょっと苦痛となります。
 このようなときは、耳栓やノイズキャンセリング付きのイヤホンをすることによってやや軽減するとよいでしょう。思い切ってグリーン車を利用することも必要です。
・現金(日本円、外貨)
 外貨両替は、出発時の空港で行うことが多いと思います。
 タイ・バンコクや韓国は、空港(到着空港も含め)よりも町中の両替所の方が交換レートがよいようです。
 ただ、その時間がないことも多いでしょうから、やはり空港での両替になると思います。
 両替は、使い勝手の良い少額紙幣にすると良いと思います。
・クレジットカード
 クレジットカードは必須です。カード会社はいくつかありますが、できれば「VISA」「Master」の2種類を持っていくことをお勧めします。残念ながら「JCB」は使えるところとそうでないところがあるのでお勧めしません。もし「JCB」カードを使用する場合には、事前にいろいろと調べておくと良いでしょう。  

Lその他
・アイロン
 携帯アイロンがあると便利です。出発前には、シャツ等アイロンをかけていきますが、到着時にはしわになっていることもありますので、ちょっとしたしわ伸ばしにはあると便利です。
 アメリカ系のホテルにはたいていアイロンとアイロン台は備え付けであるようです。
・ドリップコーヒー
 部屋でホッとしたいときに便利です。
 ロビーにコーヒーサーバーが置いてあり、自由に飲めるホテルもありますが、全てのホテルがそのようなシステムではありません。
・非常食
 小腹のすいたときにせんべい等の非常食があると便利です。

Mパッケージ後に
 スーツケースの重量を測ることは必要です。
 手荷物として預けることができる個数、重量、大きさは必ずチェックしておくことが必要です。
 機内持ち込みの荷物も同様です。
 チェックイン時に重量オーバーを告げられ、急きょアップグレードしたことがありました。

 今回は、この辺で。
 次回は、海外に行くための準備(国事情)や実際の行動について、お話しする予定です。

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