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■2000年2月の最新本試験情報
2/4 民法改正「成年後見制度」成立!
I . 平成11年12月、民法の一部改正等4法案が、衆議院本会議で可決成立しました
 改正の主要ポイントは、(1)民法総則編上の行為能力制度改正、(2)民法親族編上の後見制度改正、(3)民法上の委任契約に対する特別法的意義をもつ「任意後見契約に関する法律」による任意後見制度の新設および(4)民法相続編上の遺言制度改正の4点です。そのうち、前三者がいわゆる「成年後見制度」に関する法改正であって、平成12年4月に施行されます(遺言については1月より施行)。
II . 「成年後見制度」とは
 市民社会で生活するためには適正な意思決定に基づき契約を締結することが不可欠です。
 ところが、精神障害者、痴呆性高齢者等、契約を締結する十分な能力を欠く成年者は、法律行為を行うにあたり、何らかの保護を与えないと自由取引競争の犠牲となってしまいます。従来の民法においても、このような成年者を保護するために禁治産・準禁治産制度が存在していました。
しかし、現行制度は、各人の多様な、判断能力の程度・保護の必要性に鑑みた対応をなすには硬直的なものであり、多くの批判がなされていたのです。
 今回の法改正は、まず、旧時代的との指摘のあった禁治産・準禁治産等の名称を改めるとともに、被後見人の残存能力を生かしつつ、その保護を図りうる弾力的な「成年後見制度」を導入することを主眼としたものです。
 では、以下、現行制度と新制度の差異を概括してみます。
1 . 新「後見」制度
 これは現行の禁治産制度を改めた新制度です。名称としては、「禁治産者、後見人」から「被後見人、成年後見人」に変わりました。また、制限能力者(これも「無能力者」からの改称)の行為を取り消しうる範囲について、現行法は一切の行為について認めていましたが、被後見人の自己決定権尊重の観点から「日用品ノ購入其他日常生活ニ関スル行為」(新9条)については取消権の対象から除外されました。
2 . 新「保佐」制度
 これは、現行の準禁治産制度を改めた新制度です。名称としては、「準禁治産者」が「被保佐人」に変わりました。新「保佐」制度については、現行法の保佐人に明文上、追認権、取消権、代理権が認められておらず、これらの権限について解釈上認めるべきかが受験上重要論点でしたが、法改正による新「保佐人」には追認権(新122条)取消権(新120条)、 特定の法律行為の代理権(新876条の4)が明記さ れ、立法的に解決されることになりました。なお、「浪費者」は、削除されました。
3 . 新「補助」制度
 これは現行法にはない新設制度です。心神喪失、心神耗弱の程度には至らず、一定の範囲の判断能力はあっても、取引行為等の高度の判断能力を要する法律行為に関する判断能力が欠ける者に対し、「後見」「保佐」よりも、自己決定権を尊重しつつ、制限能力者を保護する制度です。この制度の特徴は、自己決定権尊重の観点から、本人の申立又は同意を要件とした上で、保護の内容である代理権、同意権、取消権及びその対象行為の範囲を当事者の申立による選択に委ねた点にあります(新14条)。
III . 成年後見制度について
 公務員受験上は、「地方上級」での出題可能性が高いです。具体的には、択一の「民法」及び「社会事情」、論文も1行問題がありえます。「国 I ・国 II 」は、問題を作る時期が早いので、今年の択一で出題されるかは、微妙です。但し、論文には注意が必要です。
 「後見」「保佐」「補助」の各制度がいかなる者の、いかなる行為を対象としているのか。また、「後見人」「保佐人」「補助人」の権限などについて、各自早めに新条文を確認しておいてください。
 有斐閣『判例六法』(平成12年版)の507ページ以下にも、新条文が載っています。

(沖田)    

2/18 外交官論文答練が始まる!
 2/12(土)、2/13(日)より外交官論文答練が始まった。外 I ・外専を含め、最終的には500人以上の参加者が見込まれている(昨年の同時期より100人以上多い)。憲法の答案をざっと見たところ、出来・不出来の差が大きい。昨年惜しくも涙をのんだ人(Aグループ)から、大学2年(「基本書マスター講座」と「特別対策講座」を受講)または3年(「特別対策講座」を受講)から勉強を始めている現役組(Bグループ)、さらに今回初めて答練を受けた独学新規参入組(Cグループ)が一同に会したから当然と言えば当然である。1問につき20点満点で、絶対評価なので0点もあれば、20点満点もある。最初は点数が悪くても、「合格答案完成講座」で採点基準・上位合格答案のポイント・今後の学習指針等をつかみ、しっかり復習し基礎を固め(1週間かける)、予想問題の答案を用意または答案構成して(1週間かける)、次回に繋げていけば、AグループとBグループの人は、本番までに何とかなる。問題は、Cグループである。大学や独学でしっかり基礎が固まっていれば、答練の予習・復習でも何とかなる。しかし、そうでない人は「基本書マスター」か「特別対策講座」のビデオ受講を勧める(「急がば回れ」)。時間がなければ、後者だけでもかまわない。とにかく知識(インプット)がなければ点数(アウトプット)は出ない。いくら法的センスがあっても、正確な知識がなければ点数はつかない。右脳だけでなく、左脳を鍛えること。正確な知識は、基本書で得られる。後は、法的センスで答案にどうまとめるかである。左脳が先で、右脳が先ではない。
2/22 ゼミ選抜試験を振り返る
 2/19、20と渡辺ゼミ I '期の試験・面接を実施した。あまりにも点数の悪い人はいなかったが、当ホームページで再三注意しているのに面接が下手な人が多かった。「なぜ公務員になるか?」に対して、「国のために働きたい」とか「公益を実現したい」では答えにならない。また、「公務員の不祥事に対してどう思うか?」に対して「マスコミが騒ぎすぎると思います」ではバランス感覚を疑われる。もちろん、一方で地に足の着いた受け答えをする人もいたが、イメージで物事を短絡的に判断している人がここ数年次第に多くなっている。情報が氾濫して、消化不良になっているのかもしれない。しかし、これからは、公務員に限らず、事実を正確に把握し、必要な情報を精選し、実践・行動に移す人が求められているのではないだろうか? ゼミでは、各分野に応用力の効くこのような力も養いたいと念願している。
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