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※署名のない文章は渡辺一郎による。他の講師が担当した場合は署名を入れる。
■2000年8月の最新本試験情報
8/3 国 I の再受験をめざす人へ
 国 I と外 I の1次試験に落ちた人で、来年再受験する人の対応に差がみられる。国 I の再受験組の立ち上がりは例年遅く(10月生あたりが多い)、それでも合格率は低くはなかった。しかし、今年は事情が違う。外 I の再受験組の立ち上がりが速いからである。今年の外 I 第一志望者で失敗し、再受験する人は、来年国 I を受けなければならない。そこで、7月生から勉強している人が結構いるのである。彼らが、来年の国 I 受験戦線に加わるのである。国 I の再受験組は、その点を考慮し、油断せず課題をもって勉強を確実に進めておくこと。
8/12 外専1次試験合格発表
 外務専門職の1次合格者(106名)が8月11日に発表された。昨年(140人)よりかなり少ない。昨年、外務省は55名の採用予定のところ60名の最終合格者を出した。今年は50名の採用予定だが、55〜56名程度になるか? 1次に合格した人には21日からの2次試験が待っている。
 他方、今年はあと一歩の所で涙をのんだ人が少なくないようである。憲法と国際法はバイブルや答練で2問とも的中していたので、運命を分けたのは経済学のようである。1問は的中していたので、残りの1問にどう対処できたかである。昨年の過去問の分析または基本書の読み込みをきちんとやっていた人は何とか最低限の合格ラインを確保できたようだ。しかし、それをやらなかった人は大崩したものと推測される。再受験する人は敗因を冷静に分析し、来年に繋げよう。
 なお、外 I の発表は正式には8月16日である。しかし、実は7月27日に最終合格者にはその旨の内示が出ている。1次合格者は70名(内セミナー受講生67名)は既に20〜21名(推測)の最終合格者に絞られている。
8/15 国 I ・外 I の発表迫る!
 国 I ・外 I の最終合格発表が8月16日に迫ってきた(ただし、外 I の最終合格の内示は7月27日に既にあった)。1次の合格者の約半数が落とされる。事実上、内定者に有利になっているが、万全ではない。他方、未内定者も2次落ちの補充のチャンスがある。運命の時は近づいてきた……。
8/17 国 I ・外 I 最終合格発表
 8月16日、外 I と国 I の最終合格者の発表があった。外 I の最終合格者は21名で全員がW外交官セミナー出身者であった。国 I は行政職が59名、法律職が255名、経済職が131名と1次合格者の約半数が落ちるという激戦であった(現在、集計中である。ゼミ出身者は法律職の1割以上をキープした模様)。さらに内定者はその半分というのが今年の国 I 戦線である(これからも2次落ち補充がありうる)。
 国公立大学の比重がやや低下し(80.9パーセントから79.9パーセント)、私立大学の比重がやや上昇した(18.9パーセントから19.7パーセント。過去5年間では平成9年に次ぐ数字である)。また、女性の合格者の比重がやや増した(14.4パーセントから14.8パーセント。過去5年間では平成8年に次ぐ数字である)。
 内定のある合格者は今まで我慢していたことを思う存分やってほしい(ただし、節度を保つこと)。内定のない合格者は2次落ち補充を狙おう。不合格者(特に内定をもらっていた1次合格者)は、相当ショックだと思うが、人生の試練と思って、何とか次の一歩を踏み出してもらいたい。
8/25 今年の国 I ・外 I 本試験を振り返る
 まず、今年で最後とされる外 I では、女性の合格者が4名(東大3、早大1)と過去最高となったのが目立つ(女性にとっては明るい材料だが、答案を採点している立場からすると、むしろこれでも少ないような気もする)。もっとも、出身大学は東大17、京大2、早大2と特定の大学に偏っていた。
 国 I では、私大の健闘が目立ち、他面、国公立大学が不振であった。しかし、東大は例外的に伸びている点が注目される。これは、東大生が比較的得意とする教養(特に知能分野が難しかった)で東大生は他大生に差をつけたこと、他方、専門、特に法律科目が簡単で、専門をかなり勉強していた人(優秀な私大生や2年目組に多い)も一通り勉強したにとどまる人(教養が得意な東大生に多い)も差がつかなかったことに起因するとみられる(ただし、付け焼き刃程度の勉強では東大生も落ちることは言うまでもない)。
 一部、国 I 離れの傾向がマスメディアで報道されてもいる。しかし、競争の厳しい外資・司法からの回帰も見られるし、外 I から国 I への転入組(特に、外 I 2次不合格者は手強い)も多く、来年の国 I も激戦が予想される。
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