■2001年7月の最新本試験情報 |
外専の本試験(30日・1日)が終了した。憲法を例にとると、第1問の財産権(外交官論文答練5-2類題・6-1類題、ペースメーカー論文答練2-3的中)、第2問の国会法と議院規則との関係(論文答練2-3的中、ペースメーカー論文答練4-2類題)、第3問の政党(ペースメーカー論文答練4-3的中)、すべて答練の問題が的中した(ペースメーカー論文答練は、前年の春の外交官論文答練をバージョンアップした秋の答練である)。国際法と経済学も2問以上的中しており、Wセミナー受講生に関しては、専門ではあまり差がつかなかったとみられる。むしろ心配なのは教養試験である。 |
国 I 官庁訪問が第2週目に入った。今年は「同一省庁は1日おきにしか訪問できなくなった」結果、1日の拘束時間が長くなり、原則として1日1省庁しか廻れなくなった。したがって、月・水・金と火・木・月というローテーションで、受験生(1次合格者)は2からせいぜい4つの省庁しか行けなくなり、各省庁も選択の幅が極端に狭くなってしまった。ともあれ、現実には受験生は、月・水・金と行った省庁には火曜日、火・木に行った省庁には月曜日に呼ばれ、その結果、「毎日官庁訪問できる」ようになる7月3日(火曜日)以降の朝に予約がバッティングする可能性が出てきた。ここで、受験生には究極の選択が待っている。
現行の各省庁別の採用は、選択の幅を狭め、縦割意識を増大させる結果ともなる。未だに従来の省庁の枠で採用している巨大有力官庁もあるくらいである。少なくとも、行政職・法律職・経済職に関しては、国家公務員として一括採用して、数年間は本人の希望に添った形で各省庁の仕事を経験させ最終的に希望省庁を決めさせる制度か、あるいは仕事の違う省庁間を異動させる制度(地方公務員は違う職種を経験する。できないことはない)が望ましいと思われる。 |
国家 I 種の内々定者がほぼ出揃った。月・水・金組と火・木・月組がバッティングした7月3日(火曜日)の朝が一つの山場であった。受験生(1次合格者)は火曜日に1つの省庁の選択を迫られた。しかし、その日のうちに長時間待たされたあげく面接なしに切られたり、金曜日まで拘束されて最後の最後に切られたり、受験生にとっては選択に幅のない厳しい官庁訪問となった。他方、省庁の側も1次の合格者が昨年よりも100名も多いため、内々定者が2次落ちすることの恐怖におびえている。学力・人格ともに優れた最終上位合格しそうな未内々定の実力者もかなり残っている。2次発表後の大幅補が必要となる省庁もかなり出てこよう。ここで一波乱が予想される。
今年の官庁訪問は、1次発表後に実施するとして、それをほぼ遵守した点は評価できる。しかし、本試験の1カ月前まで人事担当者が絡む業務説明会を行うという抜け駆けをした省庁もある。また、1次発表後としたことで、受験生は2次の勉強がほとんどできず、最終合格者のレベル向上は期待できない(国益を損なう)。官庁訪問資格者を1次合格者に限るのなら、1次合格発表から2次試験までの期間を1〜2週間程度と短くし、その終了後に官庁訪問をさせるべきであった。
内々定者も2次落ちすることもある(ただし、極端に少ない)し、未内々定者も2次合格していることから、人事院面接は、ほぼ公正に行われていると思われる。しかし、甲省の内々定者が過半数を占める組に甲省の人事担当者が入ったり、一部噂されているように内々定者に下駄を履かせるような措置が行われているのならば、人事院面接の存在意義すら疑わしくなる。それどころか、不明瞭な試験に嫌気がさして、国家
I 種試験を受けようとする受験生が少なくなる危険性すらある。優秀な学生を集めるためにも、1次・2次の採点基準・配分を含む隠された試験情報を公開し、人事院面接が、内々定の有無に関係なく公正に行われることを強く望む。 |
国家 I 種2次試験が7月15日から始まる。今年は法律職専門試験に国際法が加わり、解答時間が3時間30分になるなど受験生の負担が増えた。また、1次試験の合格者が大幅に増え、その分2次試験で落ちる人も増えることとなる。したがって、最終合格発表まで受験生には不安な日々が続きそうである。
なお、今年は採用予定数は微増なのに、法律職は1次合格者が106人も増え、600人を超えた。1番と612番とでは、教養・専門が95点満点と仮定すると、おそらく25点から30点は違うのではないか? 仮に600番が今年2次試験で合格するとしたら昨年の500番台の人は、いったい何であったのだろうか? 今年は面接重視としても、1次2割増というのはいかがなものか(面接の配点もわからない)? 612番が仮に最終合格するとなると、かなり基礎学力を欠くので、国益を損なうのではないか(もう1年勉強してもらったほうがいいのでは)? 種々の疑問が生ずる。
せめて今年は、人事院面接において、各省庁の面接官は自省庁の内々定者のいる組に入ること(昨年までは某省の面接官は某省の内々定者の多くいる組に入っていた)を回避するとか、内々定のある(ない)人を有利(不利)に扱ったりしないなど、主権者で公務員の選定・罷免権をもつ国民(現在・将来の受験生も含む)に対して、試験の公正を疑われることのないような行動を強く期待したい。 |