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※署名のない文章は渡辺一郎による。他の講師が担当した場合は署名を入れる。
■2002年3月の最新本試験情報
3/5 霞が関セミナー・霞が関官庁探訪
 3月6〜8日に実施されます(6日は女性のみ)。ぜひ参加しよう。詳細は人事院のサイトで確認を。
  http://www.jinji.go.jp/kisya/0202/josei.htm
  http://www.jinji.go.jp/kisya/0202/tanhou.htm
3/5 平成14年度国家公務員試験の概要
 平成14年度の国家公務員採用試験の概要が明らかとなった。(http://www.jinji.go.jp/kisya/0202/sekou.htm
 各種試験は、基本的に平成13年度試験とほぼ同様の日程で実施されるが、I種試験は、官庁訪問開始時期の早期化及び官庁訪問期間の十分な確保の要請等を踏まえ、第1次試験合格者発表日が5日間繰り上げられた。 
 申込用紙及び受験案内の配布は、I種、II種、国税専門官、労働基準監督官及び法務教官の各採用試験は3月22日、航空管制官は5月19日、III種試験は5月13日、海上保安学校(特別)は4月1日、その他の試験は5月19日から人事院各地方事務局(所)等において行われる。
 I種試験の申込受付期間は4月2日(火)〜5月9日(木) である(窓口4月30日〜5月 9日・郵送4月 2日〜5月 9日)。第1次試験日は6月9日(日)、第1次試験の合格者発表日は6月20日(木)、 第2次の試験日は7月14日(日) 〜7月30日(火)、 最終合格者発表日は8月19日(月)となっている。
 人事院は、「幅広く有為な人材の受験を促進しつつ、公開平等の原則の下、適切な能力実証を経て合格者の決定を行っているところであるが、平成14年度の合格者数については以下のとおり取り扱う」こととしている。
  1. 「行政」、「法律」及び「経済」の各区分については、採用予定数に対する採用試験合格者数の割合を高めるべく、最終合格者数を採用予定数の概ね2.5倍(現行1.9倍)に、第1次試験の合格者数を採用予定数の概ね4.5倍(現行3.8倍)に増加させることを基本とする。
  2. 最終合格者数は、大学院進学等による提示延期者、辞退者を除き、採用される者の数に対し、希望しても採用されない者の数が上回ることのないように設定している。
  3. また、平成13年度から、記述式試験については、問題集の持ち帰りができることとしたが、14年度からは多枝選択式試験についても同様の扱いをすることとする。また、多枝選択式試験問題の正答位置は試験の翌日に公表する。
 今回の改正は、一見、受験生に有利な改正のように見えるが、そうではない。あくまで採用側の都合が優先されている。以下の問題点・注意点を指摘する。
 まず、(1)「採用予定数に対する採用試験合格者数の割合を高める」結果、受験生は試験に受かり易くはなる。しかし、今までより内定・採用が難しくなるということである。他面、省庁の側からは、多くの受験生に接することができるというメリットがある(結局、大学・学部・部活・サークル等を通じてパイプの太い東大生に有利になる可能性が高い)。受験生としては、今まで以上に「総合力」、特に自己表現能力と討論能力を磨く必要がある。
 また、(2)「最終合格者数は、大学院進学等による提示延期者、辞退者を除き、採用される者の数に対し、希望しても採用されない者の数が上回ることのないように設定している」という人事院の説明は苦しい。というのは、「大学院進学等による提示延期者、辞退者」の多くは、「希望しても採用されない」のが原因だからである。また、2001年の内定・採用の無い最終合格者は、2001年の内定・採用の有る最終合格者とほぼ同数で、前者の多くは2002年も官庁訪問をする可能性が高いからである。2002年に初めて受験する人は昨年の合格者とも戦わなくてはならない。その点も覚悟する必要がある。
 さらに、(3)「多枝選択式試験問題の正答位置は試験の翌日に公表する」との措置は情報公開という観点からは望ましいが、思わぬ結果を生み出すおそれがある。省庁側は受験生から点数を聞き出し、安心して合格可能性のある受験生に内定を出すことが可能となる。しかし、当然Wセミナーをはじめ各予備校はデータを集積・分析し、省庁毎の合格推定ラインを引くだろう(「公務員試験の大学センター試験化」)。その結果、官庁間の序列ができ、受験生の自粛により官庁訪問も今までより低調なものとなる可能性も高い。それを防ぐためには、各省庁が受験生から点数を聞き出さないことを申し合わせるか、各予備校がデータを集積・分析することを禁止するしかない。後者は法律で規制することを要する(しかし大学センター試験とのバランスを失するし、現実的に無理である)から、前者が現実的な選択である(ただしフライングのおそれがあるので、相互監視体制が必要である)。受験生としては、今まで以上に1次の高得点を目指す必要がある。
 なお、他の改正点として、(1)インターネットによる合格者情報の提供が、平成14年度のできるだけ早い時期に本格的に行われること、(2)受験成績の本人への開示サービスについても、平成14年度のできるだけ早い時期に情報提供の内容及び方法が決定され、同年度後半の試験からサービスの提供が行えるよう取り組まれること、(3)インターネットによる申込みについては、平成15年度以降の実施に向けて準備が進められることの3点がある。この点は評価できよう。
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