[ HOME>キャリア・エリートへの道>偏差値40からついに勝ちとった東大・国 I 現役合格 ] | |
はじめに 1999年8月11日、私の長いようで短い受験生活は合格という幸運な結果によって幕を閉じました。本来なら、この日をもって辛かった受験生活など、きれいさっぱり忘却のかなたへ追いやってしまっていいところですが、国 l 受験を考えている人達のために、あえて私の国 l 受験までの経緯や受験対策について、忘れてしまう前に簡単に述べていきたいと思います。 ただ、今回の私の合格体験記は、今年受験を考えておられる受験生のみならず、大学1、2年生や高校生といった、まだまだ国 l 受験を念頭に置いていない方々にも読んでいただきたいと思い、初めに私の今まで歩んできた人生について述べていきたいと思います。たかが国 l の合格体験記にいささか大袈裟なのかもしれませんが、国 l に合格する奴にもこんな奴がいると知っていただくことによって、より多くの人達に国 l 受験を考えてほしいからです。 勉強嫌いで成績不振の小学生時代突然ですが、テリー伊藤の「お笑い大蔵省極秘情報」を読んだことがある人もいらっしゃると思います。この本は大蔵官僚の実態を暴いた本として一躍有名になった本ですが、この本のなかで、ある大蔵官僚が自分は幼稚園のころから神童の誉高かったと自慢気に語っているのが印象的でした。しかし、私は、と言えば、神童とは全くかけ離れた存在でした。小学校にあがってからは勉強が嫌で嫌でしょうがないものでしたから、当然のことながら学校の成績も悪く、成績表には2の数字ばかりが目立っていました。夏休みの宿題である算数のドリルをあまりにやってこないことにしびれをきらした教師に、私が学校に呼び出されたときも、トイレに行くふりをしてにげてしまったぐらいの、筋金入りの勉強嫌いでした。小学校5、6年生になってようやく担任の教師(K先生)が私のことに色々と気を配っていただいたおかげで、ようやく更生(?)のきっかけをつかむことができたものの、中学受験など思いもよらず、当然公立中学へ行くことになりました。 公立中学3年生で勉強に目覚めるK先生のおかげで勉強嫌いがある程度緩和されたものの、勉強嫌いが完全に払拭されたわけではありませんでした。成績表にはさすがに2の数字は消えつつあるものの、3ばかりが目立つ、あまりパッとしない成績で、やはり勉強机にはほとんど向かわない日々が過ぎました。 しかし、中学3年になり、今まで放任主義を貫いていた親も、さすがに焦ったのか、私に塾に通うように強く勧めたため、私もやむなく塾に通って受験を意識した生活をおくることとなったのです。私が塾に通い始めて気づいたのは、当然のことながらいかに自分が怠けてきたのかでした。塾の授業はまさしくチンプンカンプンでしたし、塾で始めて受けたテストは偏差値が40しかありませんでした。言い訳できないくらい自分がバカだと分かってしまい、さすがの私も重い腰をあげて全力で勉強せざるをえませんでした。もっとも、志望校を決定する秋までにある程度(今は無き)学力テストにおいて良い成績をとっておく必要がありましたから、勉強する時間はあまりありませんでした。 そこでせっぱつまった私がとったのは徹底した過去問主義でした。この過去問主義こそ、私が今に至るまで勉強する時に最も重視した効率的な勉強方法ですが、この時期は効率的かどうか確信がもてぬまま、過去問を解いた後すぐに教科書の該当箇所をひたすら読むことを繰りかえしました。その結果偏差値は70まで上がり、無事県立の進学校に合格することができたのです。 この時に初めて過去問主義の威力を実感するとともに、最後の最後まで、決して諦めないことがいかに重要であるかも知ることができたのです。 東葛飾高校時代織田信長は桶狭間の合戦で幸運にも勝利を収めた後は決して運に頼ることなく、周到な準備をしたうえで、戦の勝利を勝ちとっていったと言われています。そこで、私も大学受験にむけては、高校受験の時のような危ない橋を渡る気はしなかったので、学校の授業は結構まじめに受けていました。ただ、受験勉強においては、やはり直前期の追い込みで勝負が決まると思ったので、過去問を参照しつつ、直前期に何をやるのかを常に念頭に置いて日々の勉強をやりました。特に、第一志望の東大は受験科目数が多く、手を広げようと思えば、いくらでも広げられるので、勉強の対象(教科書、問題集など)を決めたら、過去問を参照にしつつ、勉強の範囲を絞っていくことが、非常に重要になってきます(国 l も同様)。単に出題傾向を知るだけでなく、勉強の範囲を画するためにも、過去問研究が重要であることを大学受験の勉強を通じ認識することができました。かくして、私は無事に東大文 l に現役で合格することができたのです。 東京大学時代さて、いざ大学生になると大学生活をエンジョイしつつも、やはり将来の進路について最終的に決めていかざるをえなくなってきます。東大法学部の学生にはよくあることかもしれませんが、私は大学3年生の冬まで、公務員にするか、それとも弁護士にするか決断することができませんでした。最終的には公務員一本でいくと決められたから良いものの、もしもう少し決断が遅れていたかと思うと、今でもヒヤッとします。 やはり、どちらも難しい試験ですので、どちらかに決めてしまうのが無難だと思います。このように危なげながらも、私は国 l 受験を決意し、今年無事合格するに至ったのです。 受験勉強のコツ −過去問により本試験を意識する−いかがでしたでしょうか、国 l 合格までの私の人生は? もちろん、ここで述べたことは、受験勉強という観点からみた、私の人生の一部にすぎませんが、少しは参考になる点もあったのではないかと思っています。勉強が嫌いであり、何よりも勉強が苦手だった私が、とにもかくにも、国 l 合格にまでたどりつけたのは、過去問等を通じて「意識」して、日々の勉強をすることができたからだ、と言えるのでしょうか。理解力や記憶力が人一倍優れていた訳でもなければ、とびきり要領が良いわけでもない自分が、幸運に助けられながらも、こうして国 l 合格にまでたどりつけたのは、ひとえに、何のために基本書を読むのか、といった勉強の目的を常に「意識」した勉強をすることによってではないか、と思っています。 私の国 I 一次試験対策さて、抽象論はこのくらいにして、具体的に私自身どのように勉強をしていったのか、について述べていきたいと思っています。国 l の最難関は何と言っても一次試験です。志望官庁からどんなに高く評価されても試験に受からなければ、何の意味もありません。 そこで、以下教養試験と専門試験とに分けて、私が実際に行った試験対策について述べつつ、最低限どのような対策をすべきかを明らかにしたいと思います。
【一般知能】 【一般知識】
【総論】 【各論】 私の官庁訪問対策憲法 1次試験に並ぶもう1つのヤマはなんといっても官庁訪問です。というよりも、むしろ最大のヤマ場は官庁訪問といっても良いかもしれません。1次試験が努力すればたいてい報われる試験であるのに対し、官庁訪問は努力では如何ともしれがたい運や相性に大きく左右されるからです。従って、厳密な意味においての「対策」など立てようもありませんが、最低限やっておいた方が良いものがあるので、それを以下述べていきたいと思います。 まず第一に必要なのは徹底した自己分析です。「どうして公務員になりたいのか」「どうしてその省庁に入りたいのか」「その省庁に入って何をしたいのか」「大学時代何をしてきたのか」の4つの事項について自分の言葉で自信をもって言えるようにしておくことです。あまり自信のない人は時間の許す限度で民間をまわってみると良いでしょう。私も民間をまわったことで、自己分析に深みがでたと思います。 次に必要なのは、時事問題についてある程度話せる状態にしておくべきでしょう。最低限新聞は毎日読んでおいた方が良いと思います。私も「政と官」の問題について相当つっこんで聞かれたので、やはりこういう基本的な時事問題については事前に考えておくべきでしょう。 最後に志望官庁の志望順位を訪問前にある程度決めておいた方が良いでしょう。確かに官庁訪問を通じて志望順位をかためていくのが筋でしょうが、1週目の金曜日から拘束される現状からすると、やはり前もって志望順位をある程度決めておかないと相当苦しいと思います。大学で行われる官庁の説明会に積極的に参加して情報を仕入れるなど各人工夫してください。いずれにしても、官庁訪問は想像以上にきついので、準備を万全にしてのぞんでほしいと思います。 私の2次試験・面接対策2次試験についても、引き続き渡辺ゼミでお世話になりました。やはり2次の論文試験はどれだけ書けるかが重要なので、ゼミ等を通じて書くのに慣れるようにしておくべきです。基本的に勉強方法は1次と同じでいいと思いますが、定義や趣旨といった基本事項はできるだけ暗記しておいてください。 人事院の面接は官庁訪問をクリアーした人であるならば特に心配する必要はないので、落ち着いて受けてください。 最後に私が公務員を受験することを決意したのは今年の1月でした。それまではずっと弁護士になろうと勉強してきたのです。ここまで決断がおくれたのは、やはり弁護士の夢をなかなか捨て切れなかったからだと思います。それでもなお、最終的に弁護士への夢を捨てて公務員になりたいと思ったのは、より多くの人のためになりたいという素朴な感情からでした。公務員になろうと志している方はぜひこの素朴な感情を共有してほしいと思います。昨今の高級官僚の不祥事によって、公務員の人気は衰えたかにも見えます。しかし、公務員は、本来、世の中に必要不可欠かつ重要な仕事です。一人でも多くの方がこの素朴な感情を胸に公務員の門をたたいてくれることを願わずにはいられません。 皆さんの合格を心からお祈り申しあげます。 以上 |
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