3割内容削減の2002年学習指導要領が原因で、近年の不況の影響(?)で人気の衰えつつあった中学受験の人気も再び息を吹き返し、人気も高まっているらしい。
長女は5年生になるが、未だに友達のUちゃんと一緒に公園の砂場で落とし穴を掘ったり、木に登ったりするのが楽しいらしい。この間も、夢中で砂堀をして宝物(ガラクタ?)を隠している2人に「君達、まだ遊び足りなかったのか? かわいそうに!」と思わず言ってしまった(公園も危ないので、監視つきである)。しかし、少しは、将来のことを考えるようになってはいるが、なかなか自発的には勉強をしたがらない(できれば宿題もやりたくはない)。公立中学・高校に行っても、6年後の大学受験で私立出身者と対等に戦えるか、心配になった。
そこで、一流中学に進学実績のある進学塾Sの説明会に参加し、入室テストを受けることにした。Sの教室は、電車で10数分離れてはいるが、M市にもある。1人では心細いので、M市(結婚から長女の卒園まで約7年間住んでいた)にいる娘のS幼稚園時代の友達2人にも声をかけた。A君は既に進学塾の
I に通っているが、Bちゃんは進学塾には行っておらず、学研の教材で国語と算数は勉強している。A君のママは他流試合に大変乗り気だったが、Bちゃんのママはあまり乗り気ではなかった。皮肉なことに、説明会には、A君のママは下の子の具合が悪くなり来られず、乗り気薄だったBちゃんのママは、小学校とは異なり、意欲満々の若い先生がたくさんいたので、カルチャー・ショックを受けたようだ。入室テストは、Bちゃんの意向も確かめず、受けさせることにしてしまった。元小学校教員の妻は、「昔は、小学校にも若くて意欲満々の先生がたくさんいたのにー。」と嘆いていた。妻の同僚の先生(妻が在職中から尊敬していた先輩の女性の先生)は、現在N市で校長先生をやっているが、校門で生徒1人1人に声を掛け、全校生徒の名前を覚えているという。『アエラ』2000年5月22号でも、底辺校からトップ校になった小学校(女性の校長先生は41歳で、毎朝生徒に声を掛ける。先生は20代・30代が中心)のことが書かれていた。しかし、日本にも毎朝校門で生徒1人1人に声を掛ける校長もいるのである。また、20代・30代の意欲満々の若い先生もたくさんいるのである(ただし、それが塾なのが、日本の悲劇である)。
さて、入室テストにあたり、何もしないのはマズイので、娘にはたまっていたベネッセ(子どもチャレンジ)の問題を一夜漬けに近い形で解かせておいた。テスト後、娘は「算数が半分もできなくて、あせった。他の科目も算数のことが気になっているうちに3時間が終わってしまった。久しぶりに勉強した。」と感想を述べていた。Bちゃんは、日ごろのテストとは異なり難しいので、かなりショックを受けたようだ。
1回で受からなければ、2回目、3回目もあり得た。しかし、幸い1回目で合格できた。算数と理科の点数はひどかったが、全然勉強していない割には国語6割、社会5割あったので、ホッとした。合格できたと言っても、編入先は下から2番目のクラスである。娘は「やり甲斐があるねー。」と言うので、頼もしく思った。しかし、それは誤解だった。不審に思った妻が後で確かめたところによると、「教える先生が、やり甲斐がある」とのこと。Bちゃんも同じクラスで合格したが、学校では悪くても80点以下はほとんど取ったことがなかったので、パパ・ママ・Bちゃんの3人で返却答案を前に呆然としていたらしい。「入室テストは受験レベルなので、心配する必要はない」旨を妻を通じて伝えた。娘は、「Bちゃんが行くなら行く」と言っている。なんとBちゃんも「行く」と言っているらしい。私は、Bちゃんは負けず嫌い(娘のほうが少し点数がよかった)なので、行くと言っているのかと思ったら、TDLに行くこととの交換条件らしい(娘はこのことを知らない)。
しかし、6月編入は、時間的にも経済的にも無理(ピアノ・スイミングに加えネイティブの英会話を始めた)なので、夏期講習から入ることにした(受験勉強が遅れたら、最終的には私が教えるしかない)。夏期講習も10万近くかかる(受講生の親の気持ちもよくわかった)が、中学も合格しても行けるかどうかは、その時にならないとわからない。初年度だけでも、100万円ぐらいはかかるからだ。家には他に子どもが2人もいる。両親も年をとった。住宅ローン残高=中流、個人金融資産=下流なので、3人には、できれば国公立で大学まで行ってほしい。
しかし、8年後の大学入試を考えた場合、2002年学習指導要領過渡期の長女の場合、私立が絶対的に有利である(その後、相対化し、生徒全体の基礎力が弱まる?)。したがって、少なくても長女の場合は私立受験を考えざるを得ない。小学校6年間の総決算として、努力し、自分の位置付けを知っておくのも悪くない(小学校でも3学期に学力テストをやるが、結果は教えてくれるとは限らない)。
と言うわけで、中学受験戦線の中に私も一歩、足を踏み入れることとなってしまった。
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