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E君の官庁訪問日記

7月1日(月)
 この日は、D省を予約通り朝一で訪問。A省で動きがあったため今日のD省でも何らかの動きがあるはずだとみんなで話す。なぜなら二日連続訪問禁止のルールは今日までで明日からは毎日同じ官庁を行けるようになるため、明日以降はどの官庁も絞りをかけ拘束してくるはずだからである。したがって今日のD省の結果次第で明日A省に行くか、D省にいくかが決まる。そういう意味で今日明日は今後の官庁訪問の行方を左右する極めて重要な日である。
AM9:00 D省 
 朝9時に呼ばれた人は全部で15〜20人いる。D省はだいたい30人前後採用する予定で一週目の月水金でまわっていた一軍も同人数くらいと考えると今のところ30〜40人残っていると考えら、したがってかなり絞りこまれだしているのだと分かる。

AM11:00 D省人事補佐
 今までいったことのない会議室に呼ばれ、人事の補佐と話す。今日は大事な人に会ってもらうとのこと。実は先週月水金とまわっていた友達が金曜の最後に3人いるうちの企画官のうち一人に会っておりおそらく企画官と思う。まわりの噂ではこの3人の企画官が実質的な採用の権限を持っているのではないかと言っていた(実際そうだったらしいが)。もう一つ気になったことは、この面接が行われている会議室自体である。なにやら壁の脇が黒くなっているのだが少し透けていて向こう側に人がいるのが分かる。どうやら面接の内容を全部その人達(おそらく人事の補佐)に聞こえる仕組みになっているらしい。

PM3:00 D省企画官
 しばらく待っていると、またさっきの会議室に呼ばれる。するとついに企画官が出てきた。かなり緊張したが10分ぐらいで終わった。企画官面接が最重要であるとしたら時間も短かったし手ごたえがなかったのでだいじょうぶだろうかと不安になる。

PM5:00 D省原課
 大学のOB。どうやらこの辺は拘束のための時間稼ぎの感じがする。

PM6:00 D省待合室
 待合室にいるとどんどん人数が増えて25人ぐらいはいるだろうか。この時間になるとみなほとんど拘束状態なのでまわりの学生と明日どこの官庁をまわるかしゃべり始まる。私も例外ではなくA省かD省かかんり真剣に悩み始まる。今のところA省の方が有利な状態なのでA省に気持ちが傾いてる。せめてD省がこの25人ぐらいの学生に対してなんらかの差別化をしてくれれば良いのだが。

PM9:00 D省人事補佐
 一度あったことのある面接官でしかも前の面接ではかなり厳しかった人。君のことは高く評価していると言われる。しかしおそらくここまで残った学生には全員同じことを言っていてなんとかして明日来てもらおうとしていると考えられる。ここはかなり心理戦で何とかしてどのくらい自分が評価されているのか聞きだそうとするがはぐらかされる。A省と迷っていることを話すとそれは最後は君が決めることだからと言われる。一応明日の9時に予約が入る。

PM9:30 D省一階ロビー
 一階のロビーに行くと拘束されていた学生が何人か待っておりそれぞれの状況を話す。すると呼ばれた時間は一緒なのだが場所が二つに分けられている。そしてどうやら私が指定された方は、二軍部屋のようだった。これで明日はA省に行く決心がついた。友人の中ではA省とD省両方とも一軍に残ったものがいてとても悩んでいる。
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