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E君の官庁訪問日記

7月4日(木)
 A省の合同部屋にいくと他部局採用の人もいてかなりの人数がいた。おそらく形式的には一緒に採用したことにしたいために一度一緒に集めたものと考えられる。
AM9:00 A省合同部屋
 おそらくここからまた部局ごとの拘束部屋に移動するのだろうと思う。やはり同じく拘束されていたメンバーが1人ずつ次々に呼ばれる。そして私も呼ばれた。

AM9:30 A省
 しかし私がつれていかれた部屋は拘束される前にいた部屋で何だか不安がよぎる。そして6人くらい学生がつれてこられてから全く来なくなった。これはおかしいと思い別の拘束されている友人にメールをすると残りのメンバー全員が昨日の拘束部屋にいるとのこと。かなり動揺し自分の部屋の学生と話すと、昨日の段階でこの部屋に来ることを言われていたらしい。しかし私はそんなことは言われていなかったので、また拘束部屋の友人にメールで聞いてみると、拘束されている学生の中でこの今自分がいる部屋に行くと言われていたものがいることが分かった。どうやら私は昨日の帰る段階までは拘束部屋に行くことになっていたがその後の話し合いかなにかの中でこちらの切られ部屋に行くことになってしまったらしい。そして…………。

AM11:30 A省人事筆頭補佐
 切られた。やられた。絶対だいじょうぶだと信じていたのに。自分の勝手な思いこみとはいえ、ショックだった。一応今日の夜連絡すると言われるがまたいつも通りの切り文句だろうと思う。今さら切られてもどうしようもない。途方にくれる。どうしようか考えてD省で拘束されている友人に一応D省の様子を聞いてみる。すると後数人の枠があることを知りだめもとで行くことにする。

PM1:00 D省
 D省に行くとかなり学生の数が少ない。今のところ拘束されている一軍メンバー23人らしい。どうやらD省はまだ人が埋まっておらずそのために昨日おとといと私にも電話してきたことが分かる。まだ可能性がありそうだと思うがまだA省に切られたことからのショックから抜け出せない。

PM2:00 D省人事補佐?
 例の会議室に呼ばれるといきなり厳しい口調で、今さらなんで来るの? 2回も電話したのに? 等かなり怒られた。そして組織に一番必要なのはなにか? と聞かれ私がいろいろと答えるがどれも違うと言われ、最後に信頼関係だと言われる。確かに私はD省の信頼を裏切ったかもしれないがショックを受けているところにこれだけ厳しい言葉はほんとに私の精神状態をボロボロにした。しかし何とか耐えて、謝りぜひD省に行きたいことをアピールしまくった。

PM3:00 D省人事補佐
 この人に会うのは3回目で月曜に最後会った人だった。どうやらこの人が私を押してくれていたらしく励まされる。そして最後のチャンスを上げると言われ企画官面接を受けることになる。

PM4:30 D省企画官
 この面接次第で今後の運命が決まるのでとても緊張した。しかしショックから立ち直っていなかったこととA省での拘束で緊張の糸が切れて面接に対する集中力がなかったこととで全くうまくいかなかった。話しがかみ合わない。

PM5:00 D省人事補佐
 さっき会った私を押してくれていた人。残念だけど君を採用することは出来ないと言われる。かなり話し合ったんだよと言われる。最後に君が来年の今頃霞ヶ関で働いていていることを願うよと言われD省を後にする。もしあの火曜日にD省に来ていたらどうなっていたのだろうと考える。しかしどんなに考えても結果は変えられない。家に帰ると涙が出てきた。何度も何度もなぜだろうなぜだろうと考えた。

PM11:00 自宅
 家で呆然としているとかかってこないと思っていたA省から電話がかかってきた。まだ今の様子ではどうなるか分からないが明日の夜また必ず電話すると言われる。もしかしたら補欠扱いくらいにならしてくれるかもしれないと少し期待する。
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