【X省(3)9:30〜17:00 原課→原課→原課→人事(課長)→人事（補佐）】
最終合格発表日。1次試験の点数がそれほど良くなかったので、最終合格しているかかなり不安だった。9時ころ人事院に行くと既に長蛇の列。ドキドキしながら掲示板へ向かう。結果は……合格していた。1年間の勉強の成果が報われてかなり嬉しかったが、周りの学生はいたって冷静で、番号確認後すぐにそれぞれの省庁へ走っていっていた。そんなもんかと思い自分も急いでX省へ。待合室には既に20人位の学生がいた。この日から本格的な採用面接が始まると思うと気が引き締まる。また長い時間待つんだろうなぁと思っていると、順番よりかなり早い時間に名前が呼ばれる。そして立て続けに課長・室長クラスの方と面接。早くも自分が切られるか、採ってもらえるかのきわどいところにいるのだなと感じる。それまでの面接より緊張気味で原課面接を三人こなす。その後人事に呼ばれ、別室に通されて「これから最終決定権を持つ者に会ってもらいます。」と言われる。その別室には採用予定数と同じ人数の学生がいて、実質的には決まりかとも思ったが、まだ気は抜けず、官庁訪問の中でも一番緊張した人事課長面接だった。課長面接では15分ほど、志望理由やX省に入って何をやりたいかを聞かれる。その後別室で、課長補佐の方にX省が第一志望かどうかの確認をされた後、「もう安心してくださって結構です」といわれる。なんだかとてもあっけなく決まってしまった。X省を訪問したのは実質的に2日間だけ。それで決まってしまっていいのかという思いがあったが、補佐の方に「君たち以外にはいない」とまで言っていただいたので、これで本当に決まりらしい。官庁訪問中に仲良くなって、一緒にX省を目指していたけどかなわなかった友達のことを思い浮かべると、とても重たい言葉だった。
