【X省(1)】9:20
人事院で自分の番号を確認し次第、すぐにX省まで走る。すでに30人程先着がいた。受付で氏名、大学名などを記入した後、自己紹介カードを記入するように言われる。
自分は民間も回ったのでエントリーシート記入は慣れていたが、中には「それはどうだろう?」と思う書き方をする人もいた。熱い思いを伝えたいのは分かるが、小さい字でびっっしり欄を埋めても面接官は読む気力を無くしてしまう。キャッチーなキーワードをちりばめて、それについてはいくらでも語れるようにしておくべきだと思う。
内容も、自分の外見、学歴などを面接官の目から見て、どんな先入観を持たれるかを考えて書くべきだ。外見がひょろっとして勉強好きそうな人ならば、実は体力もあることをアピール出来るようなことを書く。外見が真面目そうな人が真面目なことをアピールしてもパンチに欠ける。「こんな一面もあったのか!」と面接官を楽しませる面接に持っていけるよう、内容を工夫すると良いと思う。
人事の課長補佐がやって来て、全体へ激励の言葉をいただいた。その頃はこれから官庁訪問するというリアリティが涌かず、不思議な気分で聞いていた。
それから、番号ごとに10人位ずつグループにされ、ブースでの10分面接に向かう。昼過ぎまでに計3人に会う。内容は、その方の経歴や業務についての説明がほとんど。質問もされたが、大してインパクトのあることは言えなかった。ストレートに自己PRや志望動機を言わされたりすることは少ないので、いかに普通の会話に自己アピールを盛り込むかを考えるべきだと実感。後で聞いたが、この時点で切られる人もいたらしい。
これで終わりかと思ったが、会議室で延々待たされる。夜の10時頃になり、ようやくもう1人の原課と会う。公務員とは?どういう国にしたいか?など、大きなテーマについて1時間以上話し合い、その方の公務員らしからぬ考え方に感銘を受ける。同時に自分の一面的な見方や意見に情けなさを感じる。
話した事もすぐに論破されてしまったし、決して良い面接だったと思えないが、その方は自分を気に入ってくれたようだ。連絡先などをもらって待合室に帰される。
その方が恐らく高い評価をしてくれたのが分岐点になったのかも知れない、と思う。しかし当時は整理番号がかなり早いにも関わらずこれだけ待たされ、もう望み薄なのではないかと思っていた。
最後に秘書課面接。次は9時に予約を入れられ、終電で帰宅。