[ HOME官庁訪問日記>Y君の官庁訪問日記 ]

Y君の官庁訪問日記

6月13日(火) 官庁訪問2日目
 官庁訪問は精神的に辛いものがある。朝早く起きて、慣れないスーツを着て、満員電車に揺られて霞ヶ関に向かい、面接の連続。昨日の失敗もあり、少し面接に慣れた今日こそは充分な自己アピールをしようと意気込んだ。それでも朝食が喉を通らず、身体は正直だなと思う。
 9時過ぎにD省に到着した。9:30から受付開始とのことだったので、ロビーで昨日の反省やD省についての質問事項を再確認。受付が始まるとまずは人事に通される。D省は他省庁と違って局別採用なのだが、窓口は官房の人事になるらしい。例年、官庁訪問の出足が遅いD省だけあって訪問する学生も少なく、雰囲気もなんとなく静かだ。官房の人事の方に業務説明を受けたい局はどこか聞かれたので、E局を希望。私はE局以外にいくつもりはない。ここでも「なにか質問は?」と聞かれたので、局別採用や異動サイクルについて簡単に聞いてみた。15分ほどでE局の人事に向かう。
 10:00にE局の人事に到着。係長(5年目)と面接することになったが、座ったとたんに「自己アピールをしてください」といわれる……! D省に限って業務説明期間に官庁訪問のようなことをすることはない、と思いこんでいたためかなり面食らう。その後も、志望動機や大学での専攻、E局で興味のある仕事などたてつづけに質問された。ただ、想定問答集で用意していた範囲の質問ばかりだったし、そろそろ面接にも慣れたので、慌てることなく対応できて一安心。20分ほどで面接は終了したが、「まだ他の人の話も聞いてもらいたいので待っていてください」と言われる。話を聞くというか面接だろ、と思いつつも、連続で面接をしてもらえるのならそれだけいい評価をしてくれたのかな……と期待してしまう。5分後、原課の係長(6〜7年目?)が登場して、同じく、公務員及びE局の志望動機、大学でのサークル、専攻などを質問される。官庁訪問では同じ省内でも違う人と会えば同じような質問をされる。「また同じ質問か……」といやがらずに、会う人ごとに気分を変えて面接に望むのがポイントだ。私も先ほどと同様、丁寧に答える。最後に「質問は?」と聞かれたので、業務説明期間中ということで、さすがに仕事の内容について質問してみた。30分ほどで終了。「まだ時間は大丈夫だよね?」と聞かれたので、迷わず「はい」と。「じゃ、また他の人が来ると思うから待っていてください」と言われる。連続3人と面接をすることになり、昨日と違って順調に進む現状がうれしい。
 10分後、原課の係長(6年目)が登場。前の2人とは違って、自分の経歴に沿って業務説明をされた。説明を受けてから最後にまとめて質問をしてもよかったのだが、興味がある話のときに適宜質問することにした。他省庁への出向について質問をしているとき……ん? 相手の手元に何かが見える……そこには「評価シート」と書いてある! なんとE局ではすでに評価が始まっていたのだ! 今までの面接の様子で評価が始まっているとは感じていたが、まさかそこまでシビアに評価されているとは思わなかった。やはり業務説明とはいっても、実質は官庁訪問だったのだ。評価シートを見た私は俄然やる気が出てきて、その後も積極的に質問し、自分はE局の仕事に興味があります、ここで仕事をしてみたいのです、という気持ちを前面に押し出した。この面接も30分ほどで終了。今日はこれで終わりで、またいつでも来てくださいとのこと。一般に、時間指定をされないのは評価が低い証拠だが、E局は訪問者が少なく、特に予約をしなくても来てくれればすぐに対応するとのことだったので、予約をせずにD省を後にした。
 12時を少し回ったので、F省で働く友人と虎ノ門で昼食をとる。実は、この日の午後、F省を訪問しようと思っていた。しかし、1次試験前に志望動機を考えていてもA省、BC省、D省の志望動機を練るのに精一杯で、F省まで手が回らなかったのだ。この状態でF省にいってもすぐに切られるのがオチだし、3つに絞って、本当に自分が行きたいところだけを深く官庁訪問を進めていったほうがいいのではないか……と思いながら、友人と話をしていた。友人からは「今まわらなかったら可能性を狭めるだけだ」と説得されたが、充分な準備をせずに面接に望むのは自分にとっても相手にとってもよくないだろうと思い、そのまま帰ることにした。結局、13時過ぎには霞ヶ関を後にして、官庁訪問2日目は午前中で終了した。しかし、来週の月曜日にこの決断を猛烈に後悔することになってしまうのである。
戻る
お問い合わせ等は info@thefuture.co.jp まで
©1999-2001 The Future