Y君の官庁訪問日記
9:20にD省到着。予約をしていないのでいつ来てもよかったのだが、午後にBC省の予約があるため、早めに行動する。前回と同じく、官房の人事を通してからE局に案内される。一昨日はE局人事課の部屋で面接があったのだが、今日から原課の部屋に直接伺うことになった。一人目は係長(6年目)にお会いする。最初に現在の仕事の概要を話され、その後はいつもどおり、質問へ。志望動機、サークル、バイト、1次試験のできを聞かれた。1次試験は正直言ってよくできたとは思えなかったが、本音を話して採用を控えられるのも困るので、「予備校の模試は難しく感じましたが、本番の試験は易しく感じ、しっかり勉強した成果が出せたのではないかと思います」と答えた。本試験が易しかったのは正確には専門だけだが、このくらいの誇張表現は許されるのでは、と思いながら。また、この係長は3月の霞ヶ関ツアーでも説明をされた方だったので、その時の話で盛りあがった。以前から説明会等に顔を出しておくと、いざというときに話題になる。D省の職場はどこでも静かな雰囲気なので大きな声で話しにくく、職場の片隅でひそひそと話したせいか、30分ほどの面接なのに非常に疲れた。大きな声ではきはきと話したほうが疲れないものだ。
人事の部屋に戻るが、これから会ってもらう人に会議が入ってしまったので、また後日きてくださいと言われた。これはどういう意味か。もう望みが薄いということなのだろうか。A省でも評価が低そうなのに、E局まで終わってしまったら後がない……。そういうわけにはいかないので、「少し時間が空いても結構なので、午後にお会いできないでしょうか」と聞いてみた。すると「何時になるかわかりませんが、では午後に来てください」とのことだった。ひとまず安心してエレベーターに乗って玄関に戻る。ホールで渡辺ゼミの人とばったり会った。彼はW庁に向かうところらしい。急いでいるようだったので、ゆっくり話せなかったが、「また後で」ということで別れる。
まだ10:30でだいぶ時間がある。15:30予約のBC省に割り込ませてもらえないか、ダメモトでお願いに行く。「午前中の予約もいっぱいなので、15:30予約のなかでは早めに対応するということでよろしいですか」とさすがに断られる。いまさら他省庁を訪問するわけにもいかないので、赤レンガ棟を見学しに行く。見学は無料なので、時間をつぶすにはいい場所だった。その後、D省に戻り、地下の食堂で昼食。13:00、E局の人事を再び訪問する。
13:30に原課の係長(6〜7年目?)を紹介される。E局全体の業務説明を受けながら、疑問に思ったことを質問した。E局ではこちらから質問する機会があまりなかったため、今までのフラストレーションを解消すべく、積極的に質問した。相手はあまり話す方ではなかったが、質問には丁寧に答えてくれたので45分ほどで終了。人事に戻ると、今日はこれで終了ですとのこと。相変わらず予約は受け付けていないといわれたので、自分の評価がまったく読めない現状では何回も訪問するしかないと考え、明日伺いますと伝えた。
14:40にBC省到着。BC省の待合室は相変わらず人でいっぱいだ。同じテーブルに座った3〜4人で初対面でありながら、各省庁の進行状況等を報告しあう。いろいろ話しこんでいるうちに、説明を聞き終えた学生が本来であれば次回の予約をする場所に座ると、今日は2通りの対応があることに皆が気付いた。いつも通り、「次回の予約はどうされますか?」と聞かれるパターンと、「業務説明は今日で終わりなので、また発表日以降に来てください」といわれるパターンとに分かれていたのだ。つまり、後者のパターンは切られたということだ。それからは仲間内の話題はそのことに集中し、職員の対応に注目した。だいたい1:1の割合で進んでいる……。半分は切られるということか。BC省に賭けるしかないと思っていただけに、そのシビアな対応にため息が出る。
そうこうしていると、17:10に私の名前が呼ばれる。いったい自分はどうなるのだろうか。昨日が人事課の課長補佐との面接だっただけに、気が気でない。ブースに案内されると、今日もB省原課の課長補佐との面接。まず、他にまわっている省庁を聞かれ、A省とD省と答えるが、「なんの脈略もないね」と一蹴される。食い下がって、「仕事の先に具体的な人の顔が見える仕事がしたいんです。それで、この3つを回っています」と答えたが、「D省で人の顔が見えると思う? 私はそう思わないけど」と反論される。その後、業務説明を受けて何点か質問するが、会話がしっくりこない。BC省でやりたい仕事をいっても、「なかなか君が思っているほどうまくはいかないんだよ」と終始、圧迫的な面接だった。この厳しい面接は30分で終わった。今日から絞込みが始まっているだけに、この対応ではヤバイ……と予約する場に向かう足取りが重い。席について職員の方から出たのは……「次回の予約はどうされますか?」という言葉だった! なんとか首はつながった。今週は3回までが限度のことだったので、19日月曜日の9:30に予約した。まだ順番を待っている同じテーブルだった人たちに別れを告げ、BC省を後にする。このままいけば来週がヤマになりそうだ。官庁訪問に慣れてきた2週目で、だれずに緊張感を持って臨もうと誓い、18時に地下鉄に乗った。
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