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Y君の官庁訪問日記

6月21日(水) 官庁訪問10日目
 今日は、昨日途中で抜けてしまったD省をまわる。抜けさせてもらうときの相手の反応は悪いものではなかった。例年、官庁訪問の出足が遅いD省なだけに今の時期は様子見といったところだからなのか。本音を言えば、私の第1志望はA省だし、A省での反応が以前よりよくなっていることからもA省だけに絞ることもできるが、道を自らふさぐことのないようD省でも全力を尽すしかない。
 E局の受付が昨日に続いて午後からだったので、13:00到着。めずらしく私より前に1人来ていた。彼は、E局では1日に1人しか会えないということだった。官庁訪問初日から評価カードをつけていたE局ならば、段階をつけていてもおかしくはない。2〜3人に会わせてもらっている今の状況はそれほど悪くはないのかと思う。13:15に原課を案内される。「今までは係長クラスの方に会ってもらいましたが、今日からは補佐官クラスの方に会ってもらいます」とのこと。少し段階が進んだようだ。相手が補佐官(13〜14年目?)になったからといって、面接の内容は変わらない。志望動機、サークル、専攻、卒論、1次試験のできなどの質問をされる。私が答えていると相手の手元の紙がちらちら見える。それは例の評価カードで、しかも、1枚に2人の評価がついているらしく、おそらく私の前に面接をしたであろう人の評価が見えてしまっている……。なんて不用意なんだろう。E局のイメージを聞かれたので、今まで聞いた話を総合して答えるが、「ふふん、そうなの」と鼻で笑われた感じ。面接は10分で簡単に終了した。自分なりにはよくできた面接とは思ったが、どうも相手の軽率さや振るまいが気に入らなかった。もちろん、気に入らないことがあっても、答えに窮しても、自分の感情を顔に出さないことは面接の鉄則だ。とはいえ、霞ヶ関にもいろいろな人がいるんだなぁと思わずにいられなかった。
 人事に戻ると、すぐに「では、次も補佐官の方に会ってもらいます」と連続で案内される。昨日とは違って、スムーズに進んでいる。今回の面接も補佐官(14年目)。女性の方だ。私と同大学同学部出身ということもあり、お互い親近感を持ち、話が弾む。とはいえ、志望動機、専攻、サークル、他省庁の進行、他省庁との共通点、大学院や民間は考えなかったのか、E局のイメージ等、さきほどと同じようなことを聞かれる。最後に、E局職員のイメージを聞かれたので、局別採用を理由にスペシャリストというイメージと答えると、「確かにスペシャリストという面はあるが、若いうちはいろいろな仕事に興味を持って、そのなかで自分の得意分野を作っていけばいいんじゃない? 始めからスペシャリストを期待されるわけではないし」と言われる。言われたことはよくわかるが、どうしても局採用ということが気になる。面接は40分で終了。
 人事に戻ると、「今日はこれで終了です」とのこと。短い時間に補佐官2人に会えたのだから、よしとしよう。14:20、久しぶりに陽のあるうちに霞ヶ関を後にする。この時点での私の気持ちは、やはり以前からの第1志望であるA省が大部分を占めている。D省では無難に面接をこなして、確かに段階も進んでいるのだが、何回か通ってもD省に行きたいという盛り上がりに欠けているのだ。その点、A省では開始当初こそ失敗したものの、その後いろいろな方とお話を伺って、知的好奇心をくすぐられ、ますますA省に行きたいという気持ちが高まっている。腹はくくった。あとはA省に賭けよう……。
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