■2000年5月の最新本試験情報 |
5月に入った。先月の末から大手企業の内定もボチボチ出始めた。中には国
I 合格間違いなしと思われた受験生が、国 I
を受験しないことを条件に内定をもらい、国
I 受験をあきらめたと報告してきた。他にも「内定か国
I 受験か」の踏み絵を踏まされた受験生も少なくない。それでも、昔は国
I の求心力はあったのだが、昨今のキャリアの不祥事や激務の悪評などの影響か、求心力は年々弱まっているようにも思われる。せめて、若手キャリアの待遇(特に時間的な)を改善しないと優秀な人が集まらなくなる可能性がある。かつて、聖徳太子は、十七条の憲法で、「役人(公務員)は朝早くから夜遅くまで働け」という趣旨のことを言いい、今もそれをモットーとしている省庁もあるようだが、それは、せいぜい出勤時から日没までの話である。一日を振り返ったり、音楽を聴いたり、友達や恋人と語らう時間ぐらいは必要である。 |
外交官論文答練は、講評・答案の返却を含め、全6回を終了した。最近、多いのが、外
I ・外専試験委員を兼任される大石先生対策に関する質問である。しかし、試験委員対策も重要ではあるが、まず、芦部『憲法』を基本に『バイブル憲法』と答練の問題・答案の再検討をし、基礎(守り)を固めることが必要である。それが、終わってから、試験委員対策(攻め)をやること。
そこで、一つ言い忘れた情報がある。実は、毎年発行される前年度『重要判例解説』(有斐閣)の「憲法判例の動き」を、平成5年度(「定住外国人と国会議員の選挙権」に関する大石先生の解説がある)までの佐藤幸治先生から、平成6年度より引き継がれたのは大石先生なのである。したがって、平成5年度の「定住外国人と国会議員の選挙権」と平成6年度から平成10年度までの「憲法判例の動き」は読んでおいて損はない(平成11年度『重要判例解説』は、平成12年の6月上旬に発行される)。
なお、国 I の法律科目においては、『重要判例解説』の重要性は今更言うまでもない。行政職・法律職・経済職、それぞれ必要な科目について、「判例の動き」と「解説」(特に最高裁の判例)はチェックしておきたい。 |
国 I の模試が5/13・14で終了した。論文試験と総合試験の受講率が高くなかったようだが、2次で半分落ちるので気を抜かないこと。択一試験はもとより、講師や合格者が出題傾向を昨年の夏から分析し、作成したものなので、的中率は高い。弱点科目・分野は十分復習しておくこと。また、国
I 法律職は今回が2回目である。1回しか受けなかった人は、もう1回分もフォローしておこう。
外 I と国 I までは、1か月を切ってしまった。しかし、軌道修正をする時間はたっぷりある。また、択一答練は未だ終了していない。これからである。やるべきテーマとやるべき資料を精選して、残された時間の中で、最後までがんばること。
なお、各種模試も本格的に始まる。各種模試の日程とか、一通り復習して生じた質問・疑問は、公務員・外交官セミナーに電話・ファックス・メール等で問い合わせてほしい。 |
今週末の6/2(金)〜4(日)の外務 I 種試験が迫ってきた。基本書、バイブル、論文答練の復習は済んだだろうか? 憲法について言えば、自分で立てた予想問題の答案(重要論点)または答案構成(重要論点に準ずるもの)を用意しておくこと。
樋口先生対策としては、Q&A16-3参照。『憲法』や『憲法 I 』でなくても、『憲法入門』あたりでも最低限は書ける問題もある。また、「『憲法判例』を考える」(法学教室増刊『憲法の基本判例』のはしがき)を熟読しておこう。
大石先生対策としては、百選
I (94「生糸の輸入制限と経済活動の自由−西陣ネクタイ訴訟」)・『重要判例解説』(平成5年度5事件の「定住外国人と国会議員の選挙権」と平成6年度から平成10年度
までの「憲法判例の動き」)、『憲法の基本判例』(36「交通事故の報告義務と黙秘権」)それに『憲法の争点』(はしがき、50「結社の自由」、58「住居の不可侵」)に出ている論点はすべて潰しておきたい。なお、最近の『ジュリスト』(2000.5.1-15号)で、「委員会制度」という論文を書かれている。しかし、憲法の問題としては、出しにくいか(以前「憲法問題としての『国会』制度」という論文も書かれてはいるが)?さらに、昨年は『ジュリスト』(1999.8.1-15号)で、「行政改革の理念とこれから」という対談をされている。しかし、内閣や内閣総理大臣の権能については最近外T・外専で既に出題がある。また、『ジュリスト』(1997.6.15号)では、「『愛媛玉串訴訟』上告審判決寸感」、『ジュリスト』(1998.5.1-15号)では、「内閣制度の再検討」を書かれているが、いずれも外専で出題済みである(ただ、「信教の自由と政教分離原則」には注意したい)。ダークホースとしては陪審制である。
結局、何が出るかは、本番になってみないとわからない。しっかりと基礎を固め、自己の予測を信じて最後までがんばろう! |