The Future [ HOME国家I種渡辺ゼミ>合格体験談 ]
国家 I 種渡辺ゼミ
平成10年度渡辺ゼミ出身
一橋大学法学部4年現役合格者H君の話

 私が渡辺ゼミに入ろうと思ったきっかけは公務員セミナーのパンフレットの最後についていたビラを読んだことでした。そこには対象者として「国家 I 種法律職に絶対合格したい方」と書いてあり、私はそれに飛びつきました。というのも、私は人より少し早く、6月から早稲田セミナーの講座を受講していたものの「合格に必要な知識は何か、合格者のレベルはどのくらいか、合格するためには自分は何をすべきか」ということがいまいちつかめず、「自分は本当に合格できるのだろうか」という不安を抱いていたからでした。

 「サバイバルゼミ」とは聞いていましたが、ゼミの「シビアさ」は予想をはるかに上回るものでした。ゼミ生には、毎回解いてくる過去問の科目・範囲が予め指定されるのですが、予習がとにかく大変でゼミの前日は寝ないで行くということもありました。また、ゼミ中は先生が無作為に指名し、解答やその根拠を答えるよう求めるので少しも気が抜けません。普段の勉強不足のために、ゼミ中に消化できないところも多数ありましたから、復習をするのにも相当時間がかかりました。しかし、予習・ゼミ・復習のサイクルを繰り返すうちに、自分にみるみる実力がついていくのが分かり、自信につながっていきました。

 渡辺ゼミに入って良かったことは、何といっても試験までに残された時間を最大限に使うことができたことです。例えば、セミナーの授業をとっていたので、基本書は何を使うかということは知っていても、「どのように使うか」はよく分かりませんでした。国家 I 種試験の出題範囲は大変広いので、独学で勉強しようとすると、何から手をつけてよいか分からず途方に暮れるか、基本書をはじめから読み始めるものの、結局は途中で挫折してしまうということになりかねません。しかしながら、過去問をよく検討すれば、試験に出題されている箇所は実は限られていることが分かります。さらに、過去問分析によって、今年出題される箇所がある程度予想できます。ですから、その部分について、基本書などで重点的に学習すればよいのです。「漫然とではなく出題されるところを自分で予想しながら解くように」とゼミではよく言われましたが、そうすることによって私も過去問を分析する仕方を徐々にマスターしていきました。また、最近多く出題されるようになっていながら、独学では時間のかかる理論問題や長文問題についても、ゼミで徹底的に勉強したため、本番ではこれらの問題に対する恐怖心は全くありませんでした。

 試験において一般に情報を集めるというのは大事なことですが、これは国家 I 種試験にも当てはまります。この面でも渡辺ゼミに入っていたことは役立ちました。先生にもいろいろな話をしていただきましたが、国家 I 種試験に上位合格されたゼミの先輩から教養試験対策・官庁訪問対策、さらには民間の就職活動と公務員試験の勉強の併願方法について直接、話を聞く貴重な機会を持てたことも役に立ちました。また、ゼミ生間では、大学の垣根を越えたネットワークが形成され、私は情報を得るという面でこのネットワークを大いに活用しました。試験前には他大学で行われる官庁説明会のアポイントもとって、話を聞きに行くこともできましたし、また官庁訪問中もお互い連絡を取り合い、「あの官庁はそろそろ内定を出しそうだ」といった情報交換をしたり、励まし合ったりもしました。合格後の今日でも、時間を見つけて会っては食事をするなど付き合いが続いていますが、これは入省後も貴重な人脈になると思います。また、私は参加しなかったのですが、ゼミ生の中で数人が集まって、1次の教養試験対策のためのサークルをつくる人達もいました。

 渡辺ゼミで配布される資料も大変優れたものでした。 I 期では1次の教養試験と2次の総合試験、 II 期では2次の専門試験についての対策レジュメが配られました。 I 期のレジュメについては、試験はもちろん官庁訪問でも大いに役立ちましたし、 II 期のレジュメについては行政手続についての箇所が2次の憲法論文試験の問題でなんと的中していました。

 また、 II 期における2次の専門試験対策では、試験委員の先生の関心事項について参考資料をもとに解説していただいたのは大いに助かりました。基本論点の上に試験委員の先生の関心事項までカバーしたことによって、自分が他の受験生よりも一歩リードしている気がして、変な緊張感を持つことなく、試験に臨むことができました。

(早稲田公務員セミナー発行・月刊「Civil Service」1999年4月号より転載)
©1999-2001 The Future