私は渡辺ゼミの I 期と II 期の両方を受講しました。四月から早稲田セミナーの上位合格講座を受講していた私にとって、秋から始まった渡辺ゼミは大変有意義なものであった。
ゼミをとらない場合、憲法・行政法・民法という国 I の法律科目における主要科目の、セミナーでの通常の授業は秋までにはほぼ一通り終わり、本番までの半年ほどの間の勉強は自分ですることになっている。
しかし実際には、授業を一通り受けて自分で復習しただけでは理解不足の部分が残るだけではなく、時間の経過とともに覚えたことを忘れ、授業を聞いた当初は理解していたこともいざ秋になって復習すると分からなくなっていることがしばしばある。そのような状況に陥っていた私にとって、勉強の再確認と更なる発展への手助けとなったのが渡辺ゼミである。
大学やセミナーの授業をまじめに聞いていなかった私にとって、1回1回のゼミは大変厳しく緊張感のあるものであった。そして、4月頃には高かった勉強に対するモチベーションが下がり、気の緩んでいた秋から年末にゼミが週に1回のペースで行われたことは、忘れかけていた憲法等の主要科目の勉強のペースをつかみ、勉強の内容を再確認し、理解不足だった部分を理解するのに役立った。再確認にとどまらず、苦手科目であった民法を得意科目にすることに成功したのも、渡辺ゼミでの先生の時には厳しい指導と、時には親切な助言のおかげである。
また、このゼミは毎回1人1人指名されて問題や先生の質問に答える形式をとっているので、通常の授業と異なって、自分以外の国 I 受験者つまり試験の時にはライバルとなるであろう人たちの勉強具合や理解のレベルを知るよい機会となり、いいかげんな勉強しかしてこなかった私にとっては周囲のレベルの高さに驚かされ、同時に自分の勉強の浅さやレベルの低さを痛感することになり、「このままではまずいことになるのではないか? もっと掘り下げた勉強しなくてはならない。」と思うこともあり、発奮材料になってくれた。そして何よりも、先生の手厳しい突っ込みに何とか答えようと1週間かけて問題の解答を悪戦苦闘して考えていくことで、自分の実力が知らず知らずの間に上がっていったと思われる。
渡辺ゼミでは、法律科目のための勉強だけではなく、官庁訪問などの際に行われる集団討論の練習も行われる。ゼミ出身の合格者などが参加して行われることもあり、どのような形でそしてどのようなタイミングで発言すべきか、どのような理論構成で発言内容を組み立てるべきかを学ばさせていただいた。
そして、日頃のゼミや集団討論を通して普段は知り合う可能性のない他大学の人たちと知り合いになることができ、1人で通う授業よりも楽しく勉強することができたように思う。
渡辺ゼミは確かに、毎回の講義・討論の内容が密度の濃いものとなっているので、十分な予習が必要である。ただ、予習をした上で、週に1度のたった3時間のゼミにどうにかこうにか食らいついていったおかげで、それほど勉強を苦痛と思うことなく楽しんで良い成績(一桁合格)をとることができたように思う。上位合格を真剣に目指す方は、ぜひゼミを受講することをお勧めする。何とかゼミについていけば上位合格は自然と付いてくる。
|