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※署名のない文章は渡辺一郎による。他の講師が担当した場合は署名を入れる。
■2000年3月の最新本試験情報
3/7 平成12年本試験日程 −官庁訪問は1次合格発表後!?−
 平成12年の国 I 等の日程が人事院のホームページ等で明らかになった。
 受験資格は、(1)昭和42.4.2〜昭和54.4.1生まれの者、(2)昭和54.4.2以降生まれで、(ア)大学卒の者及び平成13.3までに大学卒見込みの者、または(イ)人事院が(ア)と同等の資格があると認める者である。なお、 I 種、 II 種、国税専門官、労働基準監督官、法務教官及び航空管制官の各採用試験は、これまで試験公告日の属する年度の4月1日現在の年齢が21歳未満の者は受験できなかった( II 種、法務教官及び航空管制官の各採用試験について、同年齢未満の短大等の卒業、卒業見込みの者を除く)が、大学の入学や卒業の際の特例を受け、通常より若く大学を卒業(又は卒業見込み)となった者の受験を可能とするため、平成12年度からは、同年齢未満の者であっても、大学を卒業した者及び卒業見込みである者については受験できることとなった。
 申込用紙等の配布開始日は3月21日、受付期間は4月4日〜5月11日で、郵送は4月4日〜5月11日、持参は5月1日〜5月11日である。
 第1次試験日は6月11日で、1次試験合格者発表日は6月26日である。
 第2次験日は筆記試験が7月16日、人物試験が7月18日〜8月1日で、最終合格者発表日は8月16日となっている。
 なお、官庁訪問が1次試験合格者発表日以後に行われることになった(Q&A7-4参照)。
3/11 霞ヶ関セミナー・ツアーに参加しよう!
 霞が関セミナーが3/22(女性のみ)、霞が関ツアーが3/23、24と行われる。地方在住者には宿泊施設の用意もある。今年は官庁訪問が1次合格者に限られる予定である。この企画は、志望官庁を直に見ることのできる貴重な機会である。ぜひ参加し、志望官庁を熟考しよう。詳しくは、人事院のホームページを参照のこと。
3/17 官庁訪問のフライング
 最近、官庁訪問のフライングについてよく聞かれる。どうなるか私にもわからない。Q&A7-4では、「業務説明会」と「先輩訪問」の組合せを示唆した。驚くべきことに、一部の省庁では既にこれに近い形で行われているとも聞く。しかし、そこでお墨付きをもらうのは、東大(法)で全優に近い実力者などごく一部に限られているようだ。一般の学生は、なるべく説明会に参加する(馬鹿な質問をし、逆に目をつけられないように!)一方、最終合格するためにひたすら勉強するしかない。毎年、官庁訪問前に目をつけられている学生(野球のドラフトの目玉に相当する)はいる。昨年、説明会で目を付けていた学生を厚遇した省庁もあったが、あまりうまくは行かなかったようだ。3月は守り(過去問の分析)を固め、4月からの攻め(択一答練・模試)に備える時期である。
3/22 国家公務員試験に英語検定の結果を考慮!?
 3/21(火)の日本経済新聞によると、政府は、今年の国家公務員採用試験から、TOEICやTOEFLの点数を合否の判断材料として考慮することを決定したようである。しかし、民間企業の試験結果を国家公務員の採用に使用することには問題もあるので、努力義務にとどまっている。人事院の受験案内には、平素からの英語の能力向上を勧め、省庁(外務省や通産省)によっては、点数を聞くことがあることが明記される予定とのことである。
 もっとも、従来からTOEICやTOEFLの点数が高い人は、内定をもらい易かった。また、試験直前の発表でもあり、今更受験勉強をさしおいて英語検定の点数を上げる訳にもいかない。したがって、今年の受験戦線に特に影響を与えることはないと思われる。ただし、来年以降受験する大学2年以下の人は、なるべくTOEICやTOEFLの点数を上げておくことが望ましい。
3/24 キャリア官僚の流動化
 3/23(水)の日本経済新聞によると、政府は、事実上国 I 合格者に限られていた幹部への登用を、地方採用・高卒採用の職員や民間人へ拡大する方針を打ち出した(「2000年人事管理運営方針」)。特定大学・学部(東大法学部を想定?)の偏重を避け、採用区分(法律職を中心とした事務系を想定?)にとらわれず、年次の逆転を認めるなどの方針も挙げている。民間人については、「任期付き任用制度」を認め、給与面での不都合を解消しようとしている。また、地方公共団体との人事交流についても、対等の関係を基本とするなど一定の配慮をしている。
 先日、「日本の今を考える」の「キャリア・システムを考える」で示唆した「緩やかなキャリア・システム」に近く、個人的には大筋で評価している。もっとも、入り口(採用)の段階で改善が不充分な点が将来の課題となろう。
3/28 官庁訪問セミナー・ツアー
 3/22(水)の官庁訪問セミナー(女性のみ)と23(木)と24(金)の官庁訪問ツアーは大盛況だったようである。
 官庁訪問セミナーは、立ち見が出るほど女子学生・受験生が集まった(1000人以上)とのことである。女性キャリアに対する質問は、結婚・育児・家事と仕事の両立が中心だったと聞く。現時点における女子学生・受験生の最大の関心事と言えようか。
 官庁訪問ツアーも大人気で、開始時刻の午前10時頃に行ったのでは、その日の参加を断られたところもあったらしい。ツアーでは、各省庁は一般に「1次試験終了後に説明会を開く」ことを強調していたようだ(中にはこの人は○とか、あの人は×とか、既に選考に入ったところもあると聞く)。1次試験終了後に説明会を開き、「これは」という人を一本釣りしていく(電話で呼び出しをかけ、先輩に会わせ、選考する)という方式が濃厚となった。となると、省庁側の負担は軽減されるが、先輩の少ない大学出身者にはやや不利になるかもしれない。
 結局、「1次試験合格者のみが官庁訪問できる」という建前は、もはや形骸化してしまったようだ。受験生は、1次試験終了後に各省庁の説明会に積極的に参加し、呼び出しを受けるよう努力しなければならない。だが、もはや大学を変更することも、優の数は増やすことも、体育会系の部長になることも不可能である。しかし、模試(成績表をキャリア1年生が出身予備校に取りに来る)で上位陣に名を連ね、説明会(中には集団討論をやるところもあるかもしれない)でピン・ポイントの質問(議論)をし、目立つしかない。
 以上は、一般受験生向けの話である。実は、ドラフト1位逆指名組もいる。昨年、内定をもらって試験に落ちた受験生や昨年からの説明会で一本釣りされた現役生である。このグループでは、官庁訪問ツアーには全く参加していない人も少なくない。一般の受験生にはうらやましい話である(世の中は不条理が蔓延している。その不条理を解決していくのが君達のこれからの課題である)。しかし、彼らといえども、最終合格しなければそれまでである。
 第1回目の国T公開模試(4/6)も近い!読者の奮起を期待する。
3/31 今年の国 I 受験戦線
 官庁訪問セミナー・ツアーも終了し、6月の本試験の足音が聞こえてきた。昨年の合格者は、4/3から入省・入庁・入院である。
 私の見るところ、昨年受験組の目の色が変わり、受験生らしくなってきた。他方、今年初めて受験する現役組は、同級生が就職活動を開始しているせいか、一連の公務員の不祥事のせいか、目的意識が希薄で今一つ精彩を欠く。このままだと、今年の現役組はかなり苦戦しそうな気配である。もちろん、現役組には確実に受かりそうな人もいるが、少数にとどまる。5〜6月頃の元気はどこに行ったのか?
 いずれの立場であれ、4月は重要な時期である。守り(過去問)の固まっていない人は守りを固め、攻め(模試・択一答練)に転ずる余裕のある人は守りと攻めのバランスを少しずつ攻めにシフトしていこう。具体的には、過去問を全部解いて予想を立て、模試・択一答練に臨み、正解率が高いのに間違えた問題を中心に復習するのが望ましい。また、4月・5月で1次合格者の半数が落ちる論文試験の対策も準備しておかなければならない。
 体調を崩している人や花粉症に悩まされている人も少なくないが、体調に留意して毎日前進して欲しい。
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